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それから数週間後、私たちの学校は夏休みに突入した。
暑さは更に増して、外に出れば一瞬にして溶けてしまいそう。
コンクールまで残り数日になり、部活の頻度も多くなってきた。
影山くんはほぼ毎日メールを送ってくれて、私も正直夜が楽しみだった。
ずっとスマホを触っていたせいか、肩が凝っている。
ぐるぐるっと回し、イヤホンを装着。
やっぱり夏×吹奏楽と言ったら、甲子園。
部活終わり、有名な某吹奏楽部の甲子園応援歌を聴きながら、夕方の鉄板道を歩く。
イヤホンをしていても、微かに蝉の鳴き声が聞こえる。
これが夏、これが夕方。
それから数日後の夜。
コンクールが終わり一段落した頃、影山くんから一本の電話が掛かってきた。
メールでもいいのに、電話ってことは何かの急用とか？
初めての後輩からの電話に、恐る恐る画面をスワイプした。
『もしもし？』
「あ、はい」
慣れない電話は、どう反応していいかも分からない。
もっと軽やかに返事をしてあげれたらいいんだけど。
『あの、土曜日って空いてますか』
「今のところは空いてる、けど？」
『じゃあ……』
それから数秒間、沈黙があった。
電話先で何をしているのか、想像がつかない。
『あの、花火大会。一緒に行きませんか』
いつになく真剣な声が、向こう側から聞こえてきた。
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ハルジオン(プロフ) - 太宰亜里沙さん» コメントありがとうごさいます。楽しんでいただけてなによりです！ (2020年7月14日 17時) (
レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - コメント失礼します！凄く面白くて一気読みしちゃいました！静かな夏の描写や素敵な影山をみれてとても読んでいて楽しかったです！ (2020年7月14日 12時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます。夏の描写はかなり気を使っていたので、そのように言っていただけて光栄です！ (2020年7月11日 13時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - 影山くんと主人公の不思議な関係、対して、鮮明な夏の描写。素敵な文章に幾度も胸をきゅっと締め付けられるようでした。最後の文章で、一気に世界が色づくような錯覚を覚え、思わず泣きたくなるような気持ちになりました…！ (2020年7月11日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルジオン | 作成日時：2020年6月21日 13時
