逃げ出したワケは ページ40
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錦戸side
「大倉！ちょぉ待てって！」
コイツこんな足速かったんか！？って思うくらいの猛スピードで廊下を駆ける大倉の名を大声で呼べば、ようやく彼は足を止めた。
「っはぁ！ 亮、ちゃん先輩…！」
振り返った瞬間大倉の髪がさらさら流れて妙に色っぽい雰囲気を纏わし、思わず心臓がドキリと音を立てる。
「…何で、あんな反応してん…」
はぁ、はぁ、と息を切らしながら大倉の瞳を真っ直ぐに捉える。
普段は少々察しの悪い大倉やけど、少ない言葉でも俺が言おうとしていたことが伝わったんか、彼はしどろもどろになりながらも言葉を紡いだ。
「…ち、ちゃうんです。
なんかわからんけど…は、恥ずかしくて…」
「恥ずかしい？」
もうそれってほぼほぼクロちゃうか！？ 何もせぬまま最悪の展開…大倉が章ちゃんに惚れてしまったという考えたくもない事態が起きてしまったのかとここから逃げ出したくなる衝動に駆られる。これ以上大倉から語られる言葉を聞きたくない。
「…や、やって…」
「やって…？」
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「…やって、安田さんのコト、むっちゃ恥ずかしいあだ名で呼んでもうたから…」
………は？
みるみるうちに頬を赤く染め上げていく大倉とは対照的に、俺の表情筋は一気に機能しなくなる。
「…お、大倉…？」
「やってヤス先輩ですよ？ 絶対変なヤツやって思われた…」
順当に章ちゃん先輩、にすればよかった…て、おい大倉。お前そっちの方がおかしいって気づかんのか？俺は亮ちゃん先輩なんて人生で初めて呼ばれたぞ。まぁ可愛いからええけど。
「…たぶん。というか絶対、章ちゃんはそんなこと気にせんから大丈夫や」
部活戻んで。と声をかけ「いやや！先輩に合わせる顔ない！」なんて叫ぶ大倉を半ば強制的に引っ張り俺らは音楽室へと引き返した。
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あらと∞(プロフ) - 緑夏さん» 緑夏さん、いつも温かいコメントをありがとうございます！いえいえ、そんなとんでもない！私の方こそ、今も毎日緑夏さんのtorn小説をひっそりと楽しんでいるというのになんのコメントも送れていないで…申し訳ないです汗 オマケ話も、ご期待に添えるよう頑張りますね^^ (2017年8月17日 23時) (
レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
緑夏(プロフ) - あらとさん、完結おめでとうございます^ ^ ずっと読ませてもらっていたんですけど、完結したタイミングでのコメントになってしまい申し訳ないです…。 鈍感で少し天然な大倉くんすごく可愛くて癒されました♪ おまけ話も楽しみにしてます！ (2017年8月17日 21時) (レス) id: b28e673c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あらと∞ | 作成日時：2017年7月15日 22時
