俺でも… ページ22
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ラーメンを食べ終えてから数分後。
「最近あんま見に行けてへんけど…部活は順調なんか？」
僕も入部してから気づいたけどスバルくんは軽音部の顧問の先生で、毎回とは言わんけどこうやって僕らの練習状況を気にかけてくれている。
「おん。今まで他の楽器と合わせることなんてなかったから結構大変やけど…先輩達も優しいから、楽しく練習出来てるよ」
「そうか。マルはともかく…亮とヤスが優しい、ねぇ…」
恋の力は偉大やなぁ。ボソッと呟くスバルくんの言葉がよぉわからんくて首を傾げたら、いや、何でもない。なんてあっさりとはぐらかされてもうた。
「まぁうまくやってんねやったらよかった。
…それにしても、ヤスの奴。あんだけ堕とす堕とす言うとってなんもしてこぉへんのかい」
あんな出会って数分でキスぶちかましてたくらいやのに。スバルくんの直接的な言い回しに初めて安田さんと会った時の出来事を思い出してカァっと顔が赤くなる。
「もう…その話はせんといて。堕とすとか堕とさんとか…よぅわからんし」
ホンマのことを言うと、あれからも安田さんには部活で会うときはもちろん、廊下ですれ違った時や学食で偶然出くわした時にも…つ、付き合ってくれへんか、っていうお誘いを仕掛けられている。
…けど、
その度に僕はゴメンナサイて言うて頭下げてんねんけど…安田さんは絶対諦めへんから、て全く堪えた風もなくまたおんなじコト言うてきて…。正直どうしたらええんかお手上げ状態やった。
そのコトを素直にスバルくんに相談してみたら、スバルくんはいつになく真面目な表情で尋ねてきた。
「…忠義は、何で困ってるん？相手がヤスやからか？」
「…え、いや。別に安田さんやからとかやなくて…」
確かに安田さんの行動に困ってんのは確かやけど、安田さんが嫌いなわけではないし。
「何ていうか…その、僕、今までレンアイとかしたことないから…よぉわからんねん。
兄ちゃん達以上に、好き、て思える人なんておらんし…」
「…なるほど」
スバルくんは突然黙り込んでしまい、ふと僕から目を離した。
そして、不思議な沈黙の時間が流れてから、微かに唇を動かす。
「…俺でも…アカンのか？」
「え？」
あまりにも小さな声でうまく聞き取れんくて首を傾げたら、スバルくんは「何でもない。飯も食うたしそろそろ行こか…」て僕の目も見ずに立ち上がってスタスタと歩いて行ってしまった。
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あらと∞(プロフ) - 緑夏さん» 緑夏さん、いつも温かいコメントをありがとうございます！いえいえ、そんなとんでもない！私の方こそ、今も毎日緑夏さんのtorn小説をひっそりと楽しんでいるというのになんのコメントも送れていないで…申し訳ないです汗 オマケ話も、ご期待に添えるよう頑張りますね^^ (2017年8月17日 23時) (
レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
緑夏(プロフ) - あらとさん、完結おめでとうございます^ ^ ずっと読ませてもらっていたんですけど、完結したタイミングでのコメントになってしまい申し訳ないです…。 鈍感で少し天然な大倉くんすごく可愛くて癒されました♪ おまけ話も楽しみにしてます！ (2017年8月17日 21時) (レス) id: b28e673c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あらと∞ | 作成日時：2017年7月15日 22時
