兄 ページ11
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信五side
「タツ、ちょっとええか？」
仕事を終え家に帰り、入学式やっちゅーのに何の不満も見え隠れせん朗らかな笑顔で用意しといてくれたタツの夕飯をありがたく頂いた後、「風呂入ってくる」と侯隆が見ていたテレビはそのままにリビングを出ていったのを確認してから尋ねたら、食器を洗い終えたばかりのタツは「うん…？」と不思議そうに首を傾げながらも頷いてくれた。
「今日の学校でのコトなんやけど」
俺としてはそこまで重々しく話すつもりはなかってんけど、無意識的にいつもとは異なる雰囲気を出してしまってたんか、タツはトコトコと俺の方へ歩み寄ると、少し不安げに瞳を揺らしながら近くのソファーに腰がけ背筋を正した。
「今日…安田とか言うやつに会うたやろ」
「…！」
"安田' その名前を出すだけでタツは大袈裟に肩をビクッと揺らし、ただでさえ水分量の多かった瞳をふるふると震わせた。
そして、縋るように俺を見上げて一言。
「っ…あの！ごめんなさい、兄ちゃん達があれだけ関わったらアカン言うてた人と話してもうて…」
これからは気をつけるから…今にも泣きそうな表情で俺を見遣る弟にホンマになんてコイツはええ子なんやろうとこっちまで涙が滲みそうになってくる。
「ちゃうちゃう。別に怒っとるんちゃうわ。
…怖かったやろ、突然キスなんてされて」
安心させるようにタツの頭を撫でてやると、タツは弱々しく首を横に振って大人しく俺に頭を預けた。
「…ううん。そりゃびっくりはしたけど…怖くはなかったよ」
スバルくんが来てくれたし。そう言ってフフって笑う弟にこんな危機感のなさで大丈夫なんかなぁ…と若干の不安が込み上げてくる。
「…そか。まぁ、それならええんやけど…あんまりソイツとは関わらんようにするんやで？」
兄としての威厳を保つためにもそないな不安はおくびにも出さずにあくまでもサラリと釘を刺せば、タツは はぁいとこれまた可愛い返事で頷いた。
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あらと∞(プロフ) - 緑夏さん» 緑夏さん、いつも温かいコメントをありがとうございます！いえいえ、そんなとんでもない！私の方こそ、今も毎日緑夏さんのtorn小説をひっそりと楽しんでいるというのになんのコメントも送れていないで…申し訳ないです汗 オマケ話も、ご期待に添えるよう頑張りますね^^ (2017年8月17日 23時) (
レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
緑夏(プロフ) - あらとさん、完結おめでとうございます^ ^ ずっと読ませてもらっていたんですけど、完結したタイミングでのコメントになってしまい申し訳ないです…。 鈍感で少し天然な大倉くんすごく可愛くて癒されました♪ おまけ話も楽しみにしてます！ (2017年8月17日 21時) (レス) id: b28e673c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あらと∞ | 作成日時：2017年7月15日 22時
