頼まれゴト、厄介ゴト ページ5
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「うぅぅー！全く、あの鈍感ガサツ八重歯ー！」
怒りと焦りを露にしながらも、両手にゴミ袋をしっかりと握りしめ、ボクは出しうる限りのスピードで脚を動かし、階段を駆け下りていた。
特に大したイベントもなく新しいクラスでのホームルームを終え、残念なことに今年は一緒のクラスにはなれんかったボクの恋人、白雪ちゃんの元へと急いで向かおうとしたその時、悲劇は起こった。
「おぉ、マル！ちょぉ待ってくれや！」
「…何なん信ちゃん」
ボク、ちょっと今すぐ行かなアカンとこあんねんけど。
振り返って話しかけてきた人物が誰だかわかれば、なるべく自身が出せる最も低い声色で応対した。
基本的に信ちゃんがボクに話しかける時はろくな事が起きないうえに、彼にはまたその自覚が全くないというタチの悪い性質を持っとるから、急いでいる今は、あまり積極的には関わりたくない人物ではあるのだ。
…まぁもちろん、普段は生徒と同等の立場になってボクらに分け隔てなく接してくれる、めっちゃええ先生でもあるからボクもタメ口ででいつも話しとるんやけど。
たまにこの男は、タイミングの悪い時に厄介な案件をほぼ強制的に持ちかけてくることがあるのも事実やった。
「おぉどないしたんやマル。今日はえらいテンション低いなぁ」
「いや、別に。
それより信ちゃん！呼んでくれたとこ悪いんやけどちょっとボクちょっと行かなアカンくて…」
「大丈夫や！スグ終わる用事やから。
ちょぉ頼まれ事引き受けてくれるか？」
「え？」
「教室のゴミやねんけどな。
今日掃除なかった代わりに誰かが捨てに行かなアカンっちゅーことになっとんねん。
ホンマはホームルームのうちに捨てに行く奴決めなアカンかってんけど、俺、うっかり忘れてもうてたから今日のところはお前が行っといてくれんか？」
「え、いやちょっと…信ちゃん？」
怒涛のように押し寄せてくる言葉にボクが圧倒されているうちに、信ちゃんはいつの間にやらほな、頼んだで！ と満足そうな笑みを浮かべて去って行ってしまった。
「…やっぱり、ろくな事ないやん…」
１人取り残されてゴミ袋を手に取ったボクは、ホンマに生徒の鑑やと自分でも思った。
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あらと∞(プロフ) - いちさん» いちさん、いつも温かいコメントをありがとうございます！いちさんのツボをつけたようで何よりです(笑) 確かに純粋な大倉君は珍しいかもしれませんね！言われて気づきました(笑) 本当に応援ありがとうございました！いちさんのコメントがいつも力になっております^^ (2017年2月15日 23時) (
レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
いち(プロフ) - 完結おめでとうございます！ lastの【キミの初めての恋を奪えて〜】のところと、オマケの渋谷先生の話が本当にツボでした。 何も知らない大倉さん、が中々見かけない設定でしたので 新鮮でした！ お疲れさまです ( ´ ▽ ` ) (2017年2月15日 18時) (レス) id: e4f0d46998 (このIDを非表示/違反報告)
あらと∞(プロフ) - 優子さん» 優子さんいつもたくさんのコメントありがとうございました！毎日送られてくる優子さんのコメントが本当に励みになりました(*^^*) オマケ話も気に入ってもらえたようでよかったです^^ 載せるか迷っていた作品だったので…(汗) 本当にありがとうございました！m(*_ _)m (2017年2月14日 7時) (レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。完結おめでとうございます。オマケの渋谷先生良かったです。忠義君純粋すぎるね (2017年2月13日 19時) (レス) id: 2f2289b391 (このIDを非表示/違反報告)
あらと∞(プロフ) - ぴぃすさん» ぴぃすさん嬉しいコメントありがとうございます！丸倉コンビが一緒にいるのを見て私自身多くの癒しをもらっているので、この小説でもそんな２人の雰囲気が出せたら…と思っていたので本当に嬉しいです！(*^^*) 雛倉小説頑張りますね！ (2017年2月12日 19時) (レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あらと∞ | 作成日時：2017年1月1日 8時
