肺炎<章大> 4 ページ32
章大Side
目が覚めると、天井が動いとった。
「……なん!?ゴホッ」
「あ、章大起きた。おはようさん。さっきよりちょっと楽なった?もうレントゲン終わらせたからな。もうすぐ病室つくから。」
あぁ、ベッドが動いてるのか。
まだ少し息苦しい感じはするけど、さっきより大分楽になった。
って、病室…?
「これ、もう一回つけといて」
鼻に短いチューブを入れられる。
そっから空気が出ていて、少し楽になる。
「すば兄…ゴホッゴホッ」
「ん?」
「もしかして、ゲホゲホッ、入院…?ゴホッ」
「あほか。帰れると思ったん?こんな咳出てて、こんな熱出てて。息も苦しいやろ。肺炎やねんから、しっかり治すまで入院やで」
やっぱ熱高いんやろなぁ。
咳き込む度に頭クラクラする。
「すばるくん、これでええ?」
「おん。とりあえずこれ持ってくわ。必要なもん持ってくるから章大んこと頼んだで」
隆兄が書いた入院の同意書。
これでほんまに入院せなあかんねや。
トントン
病室の扉からノック音が聞こえた。
扉が開くと、荷物をいっぱい持ったきみ兄。
「ゴホゴホッ、きみ兄、一人?」
「なんや、一人やったらあかんのか」
困ったように笑うきみ兄。
「すばると相談して亮はまだあかんやろってことになってん。大分スネとったけどな。『亮ちゃん待っとるんなら俺も待っとるー』言うて、忠義も家におるわ」
すば兄も病室に戻ってきた。
手には点滴を持って。
そっと、布団の中に両手を隠す。
「こら。ちょっと頑張るで」
「いやや、それ針デカイ!」
俺が知っとる点滴の針とちゃう。
長いし太い。
こんなん絶対嫌や。
「毎日なお薬入れてやらなあかんから、針差し替えんでええやつやねん」
きみ兄が何か言うてるけど、知らん。
「章ちゃん、ほらお手て出して」
優しい口調だけど、そこそこの力で腕を出す隆兄。
「ややっ、はなして…っ!ゴホゴホッ」
「ほら、コンコンでてるやん。少しやから頑張り」
きみ兄が後ろから抱えるように固定してくる。
すば兄が腕にチューブを巻いて血管を探る。
「いや!!ゲホゲホッ、いつもの細いのんなら頑張るからぁ!!」
「毎回刺すん嫌やろ?これ一回頑張ったら、もう点滴つなぐだけやから」
すば兄が少し眉間にシワ寄せて、触っているのは手首に近いところ。
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koma(プロフ) - とろりん子さん» とろりん子様のこと、知れば知るほど似たところがあり、全く関係ないとは思えません。本当にありがとうございました。すみません、他の方のリクエストが見えないので、お二人のコメントを別枠にうつし、ここから削除させていただきます。よろしくお願いします。 (2016年6月1日 16時) (レス) id: c170da9f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:koma | 作成日時:2016年4月9日 0時