貧血<亮> 5 ページ20
章大side
「すば兄…、亮……なんともない？」
「大丈夫。今ちょっとしんどいけどな、すぐ良ぉなるで」
「…おん。俺な、一緒おったのに倒れるまで気づけへんかった…」
双子やのに、ずっと一緒におるのに、気づくことできひんかった罪悪感。
「章大はななんも悪ないで。やから今日は、亮のそばにおったってな」
すぐに看護師さんは来た。
「亮、もう一回だけ頑張ってな」
すば兄が、すばやく点滴をつなぐ。
その間に看護師さんは亮の口に酸素マスクをつける。
「先生、酸素量どうしましょうか」
「とりあえず6Lで。目覚ましたら、鼻カニューレにかえるわ」
「はい」
心電図に点滴に酸素マスクに、酸素図るやつ。
あっと言う間に線だらけの亮。
俺はこの光景大っ嫌いや。
「章大、亮のこと頼んだで。亮が目覚ましたら呼んでな。俺外来やからちょっとかかるかも分からんけど、すぐ来るようにするから」
「…おん」
すば兄は出て行った。
亮、早よ起きてや。
「…んん、」
「亮！」
少し経った頃、亮が目を覚ました。
急いでナースコールを押す。
「…しょ、ちゃ」
「亮、目覚めたな」
すぐにすば兄はやってきた。
「酸素こっちに変えような。少なめに設定しとくから、しんどなったらちゃんと言うねんで」
酸素マスクをとって、亮の鼻にチューブを挿れる。
亮は嫌々と首を振っている。
「あーかーん。これないとしんどいからな。心電図も入院中だけ我慢してな」
「…おれ、にゅういん？」
「せやなぁ。さすがにこの状態で帰されへんなぁ」
不貞腐れたように、布団にもぐった亮。
「亮！章大！遅なってごめんな」
昼ごはんが運ばれてきた頃、当直明けのきみ兄も来てくれた。
「おれ、ご飯いらん」
「食わなあかんよ。薬も飲まなあかんやろ？章大に笑われるで」
「俺笑わへんよ！」
「そこは話合わせてやー。ほら、一口でええから。章大もなんか食べとき」
そう言ってコンビニの袋をくれた。
きみ兄からもらったカレーパンにかぶりつく。
俺を見て亮も一口ご飯を口に運んだ。
「きみ兄、俺いつ退院できる？」
「すばるがええ言うたらやなぁ」
「点滴もういらんねんけど」
「なんちゅうこと言うねん」
それから、文句を言いながらも点滴も採血も頑張って、亮は退院することができた。
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koma(プロフ) - とろりん子さん» とろりん子様のこと、知れば知るほど似たところがあり、全く関係ないとは思えません。本当にありがとうございました。すみません、他の方のリクエストが見えないので、お二人のコメントを別枠にうつし、ここから削除させていただきます。よろしくお願いします。 (2016年6月1日 16時) (
レス) id: c170da9f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：koma | 作成日時：2016年4月9日 0時
