13 想いの連鎖反応＊ ページ23
昨日アラウディと出会い、全ての情報を掴んだのにも関わらず、Aはいつも通りだった。
私が策謀部の一員であると知っても自然に接し続けるその姿が、一瞬だけ儚く見えた。
彼女は心の奥底に闇を抱えているのかもしれない。
笑顔を浮かべながら、人知れず悪夢を見ていたように。
ストレスは傷に障るから、などと遠回しな忠告している自分が、酷く情けない。
「……ホワイトタイガーのような方ですね」
ぼんやりとそんな事を考えていた時、唐突にぽつんと答えられた台詞に頭が追い付かず、Aの顔をのぞきこんだ。
「…何の事だい？」
「え、あの、アラウディさん……が。
目とか外見とか…性格はわからないですけど」
そう、戸惑い気味に言われ、ああ確かにそうかもしれないと納得しかけた。
冷たく人を貫くアイスブルーの瞳。
真っ白な肌、輝くプラチナブロンド。
なるほど、美しく高貴な白虎のようだ。
「…少なからず、君はアラウディを嫌わなかったと考えていいのかな」
血圧を計りながらそう尋ねれば、Aは少しだけ怖かったですけどと付け加えた。
奴と初対面の人間なら誰もが抱くだろう感想に苦笑しながらも、どこか安心している自分。
朝、ボンゴレとのAの取り引きについてはまた検討しておく、と言い残して去ったアラウディを思い出す。
(……うまくいったらしいな…)
思わず浮かんだ笑みを隠すように席を立ち、自分の部屋へ帰ろうとした。
その瞬間、よく知る青年の姿をそばに見つけ、Aに感づかれる前に扉を閉める。
「……立ち聞きはいけないよ、ルーア」
ばつの悪そうに目を細めた彼に、小さくため息を吐いた。
「ルーア、どうして君はそんなにAを嫌う？」
ソファーの向かい側に座るルーアを横目で見ながら、Aのカルテを書き込んでいく。
唇を引き締め、Aの顔写真に視線を落とす彼は、どこか彼女を敵対視しているようだった。
アラウディが関係せずとも、ルーアがAを敬遠している事はうすうすわかっていたが、
それが何故なのかは知らない。
「……似ていると思うんです、強く」
しばらく手を止め、彼の答えを待てば、渋々といった感じで口を開いた。
「…今の秋村Aと昔の僕が、とても似ている気がするんです。
…でも、なぜかイライラする」
そう言ってぐしゃりと髪をかき乱すルーアに、少し昔話をしてみたくなる。
「アラウディは昔、目の前で母親を殺されたんだよ。
……彼の父親の手によってね」
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千桜(*_*)(プロフ) - 続きがとても気になります！続編楽しみです！ (2013年12月17日 10時) (
レス) id: e811a56b71 (このIDを非表示/違反報告)
音葉(プロフ) - このお話、とっても大好きです！更新楽しみにしてますね！！影ながら見守っています(=ﾟωﾟ)ﾉ (2013年7月29日 12時) (レス) id: 79ec10fac5 (このIDを非表示/違反報告)
霙@kutiki(プロフ) - ギャグ小説の方からジャンプしてきました！こっちもとても面白くて、続きがとても楽しみです！！更新頑張って下さい応援しています♪p(^-^)q (2013年7月21日 16時) (レス) id: 7b0e251a07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢霧 | 作成日時：2013年7月3日 17時
