１ 血まみれの君に月光を＊ ページ4
古来から、満月は神秘的な物と言われる。
ジャッポーネの同僚曰く、夜空に輝く完全無欠なその姿は、時に奇跡を起こすらしい。
ふと顔を上げれば、美しい月が敷地内を照らしている。
下らぬ任務を片付けるのに手間取った事を思い知らされた僕は、静かにため息を吐いた。
月光を頼りに屋敷の入り口へと向かう。
なかなか気に入っている屋敷だが、この森と
化した敷地を通る事は、あまり好きではない。
やがて、随分と歩を進め、木が少なくなってきたと思い始めた時＿＿＿＿、
「………何、コレ」
見慣れぬ物を見つけた。
細い木の根元に座り込み、苦しげな表情のまま荒い呼吸を繰り返す少女。
見覚えのない顔と見覚えのない服。
これだけなら、僕はすぐさま手錠を降り下ろしていただろう。
しかし、それを躊躇わせたのは＿＿＿、
少女の頭部からも腹部からも流れ出す、おびただしい量の血。
目を背けたくなるようなどす黒いはずの赤は、
月光を浴び、鮮やかな赤へ変わっていた。
…たしか、あのジャッポーネの同僚はこう言っていた。
＿＿＿＿満月は時に奇跡を起こすのでござる。
そう、例えば、かぐや姫のように＿＿＿＿
そこまで思い出し、僕は軽く首を振る。
『カグヤヒメ』が何なのか、僕は知らない。
それ以前に、あの同僚の言葉など信じるつもりもない。
(＿＿＿だけど、殺すのは勿体ないかもね……。)
言い訳のように思い、静かに目の前の少女を抱き上げる。
ああ、あのお人好しな医者と付き合ううちに、
自分まで甘くなってしまったか。
そんな事を思いながら、僕は先程より早いスピードで歩を進めた。
２ とある双子のティータイム＊→←０ 唐突な終わりに出会う＊＊
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千桜(*_*)(プロフ) - 続きがとても気になります！続編楽しみです！ (2013年12月17日 10時) (
レス) id: e811a56b71 (このIDを非表示/違反報告)
音葉(プロフ) - このお話、とっても大好きです！更新楽しみにしてますね！！影ながら見守っています(=ﾟωﾟ)ﾉ (2013年7月29日 12時) (レス) id: 79ec10fac5 (このIDを非表示/違反報告)
霙@kutiki(プロフ) - ギャグ小説の方からジャンプしてきました！こっちもとても面白くて、続きがとても楽しみです！！更新頑張って下さい応援しています♪p(^-^)q (2013年7月21日 16時) (レス) id: 7b0e251a07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢霧 | 作成日時：2013年7月3日 17時
