年末は ページ8
Noside
「お前ら、大掃除やるぞ」
「「「はい?」」」
ドアを勢いよく開けそう言い放ったA。当然の事ながら目を丸くする囚人達。(八房達)
「内容は自分の房の掃除だ細かいところまでしっかりやれよ。じゃ」
ドアを閉め、次へ行こうとすると囚人達に呼び止められた。
「待ってください。大掃除ですか?なぜ...」
「日本の年末はこれをして新しい新年を迎える感じの風習があるらしいからだ58番」
「俺らチャイニーズ!」
「安心しろ71番、俺もチャイニーズだ」
「鍛錬は...」
「最低でも看守らが大掃除終わってからだな、2番」
ガックリと肩を落とす3人。呆れた顔をしているA。そしてAはハッとし、こう告げる。
「悪い、俺やること多いから行くわ。頑張れよお前らー」
そう言い残し、八房を去っていった。Aが一番最初に向かったのは看守室だった。
「ここは俺がやるって言っちゃったし...やるか...」
数時間後─────
「うわ、めっちゃ綺麗じゃん」
自分でも認めるくらい綺麗にしたA。次に向かったのは六力のいる倉庫だった。
「六力さん、いますか」
「あっ、来てくれたんですね。ありがたいです。看守室の方1人でやらせちゃってごめんなさい」
「大丈夫です。しっかりやっときました。ここもさっさとやりましょう、主任が戻ってくる前に」
「そうですね、ここは広いですし頑張りましょう」
2人で静かにガッツポーズをすると、2人は吹き出してしまった。
またまた数時間後━━━━━━━
「あ、Aさん。こっちの棚の整理終わりました...ってああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「わっ、なんですか。急に大声あげないでくださいよ」
「いやいや、だって気功術で空中に留まるの危ないですよ!落ちたらどうするんです!?」
ふよふよと降りてくるA。
「別に...平気ですよ落ちたってこれくらいなら」
「どう考えてもこれぐらいじゃすまない高さでしたよ!」
「...気をつけます。」
「そうしてください。心臓に悪いですし」
<夜>
「おい、お前らー」
「あ、Aさん、こんばんは」
「ん、こんばんは」
「何の用ですか?」
「あれ?2番なんか怒ってる?」
「いえ、別に。鍛錬が十分に出来なくて不服とかじゃありません」
「ほんとごめん、長引いた」
「で?Aさんは何しに来たのー」
「明日、新年大会があるからってことを伝えに来た。じゃ、おやすみ」
「「「はい?」」」
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kokuyou Saki | 作成日時:2021年1月9日 9時