少年と７つの器【オリジナル】 (ページ7)

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気味が悪い。
大罪の器は、皆何かしら気持ち悪い雰囲気がある。並べられた七つの器を座って睨んでいると、カルトが声をかけた。

「...ご気分が優れないのでしたら、すぐに寝室にお戻り下さい。ただでさえ悪魔の器、お体に障ります」
「...わかっている」

とはいえ、あまり戻る気は起きない。
得体の知れない物を、このままこの部屋に放置という訳にもいかない。置き場所とどう置いておくのかを考えているが、さっきから並べて放置という考えしか浮かばない。

「...カルト」
「はい」
「...これ...お前ならどうする」
「...そうですね...何かでぐるぐる巻にして一つの箱に詰めて倉庫に放置、でございますね」
「...お前時々えげつないよな」
「自覚ありませんな」

いい笑顔で返され、ため息をつきながら視線を器に戻した。
やっぱり気持ち悪い。

「...処理、お前に任せる...寝る」
「おやすみなさいませ」

立ちくらみにイライラしつつ、自室へ戻る。

腹の底からくる吐き気と痛みに顔をしかめながら、ベッドに横になった。

(...これからどうなる)

確かに悪魔は信じていない。
だが、視界に入れば気分が悪くなるのは事実だ。
引き取る形にはなってしまったが、下手に扱えば良くないことが起こるような気がする。

(...なんだ。眠い)

突然、激しい眠気が俺を襲った。
嫌な予感がして、必死に目を覚まそうとするが、逆らえない。

そのまま、寝たのかなんなのか。
俺は意識を手放してしまった。

真上には、赤黒い空。
目の前には、落ちてしまいそうな錯覚さえ起こす程の暗闇。

「...!?」

起き上がると、赤と黒に覆い尽くされた世界が、そこにはあった。
何が起こった？
部屋に居たはずだ。
急に眠気がして...
あぁそうだ、寝た(?)んだった。
ここはどこだ？
まるで地獄のような...
悪魔に連れてこられたのか？
...そんなわけは...

「無いって、本当にそう思う？」

ｸｽｸｽと笑い声がして、振り返る
そこには、一人の男が立っていた。
気配を感じなかった。
すぐ傍にいるのに
(誰だ)
声が、出ない

混乱していると、男が口を開いた。

「初めまして、王子サマ。僕の名は...まぁ、知ってるよね」
(知らねぇよ！)

余裕のある様を見せつけるかのような態度にイライラしつつ、問いかけたが、声が出ない。

「ｼｰ...静かに。バレちゃうから。僕は忠告に来たんだよ」