少年と７つの器【オリジナル】 (ページ5)

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俺は、カルトから連絡を受けると、すぐに書物庫へと向かった…兄王…『クレリック・クロフォード』がそこでは、待っていた。

「兄王様、急に呼び出してどうされましたか？」

俺は、今日で25代この国の王となる兄上に言葉をかけた。
それに気付いた兄上は、俺の顔を見て

「そんな、堅苦しくならないでくれないか？カイリ…俺たちは兄弟だろ？」

そう言った。
だが俺には、民達からの尊敬が厚い兄上を気安く呼ぶのをためらっている。
(俺は、本当に必要なのか……)
そんな感情がありつつ。

「俺は、兄王様を尊敬し憧れている。それに、今日は即位式なのですから……。」

兄上は何故か知らないが俺が言った言葉に苦笑していた。
だが、気を取り直して俺にこう言ってきたのだ…

「父上が残した、悪魔が宿る器なんだが…」

その言葉を聞いて俺は少し戸惑った……
だが、呼吸を整えたのち

「それが、どうかしましたか？それと……悪魔がこの現代に兄王様は存在すると、言いたいのですか？」

言い返してみた。
兄上は戸惑いながら、「悪魔がいるとは思っていない…それとは別に……」っと口を閉ざした。
俺は思いきって「何ですか？」っと言った。

そして、兄上は少々顔をしかめて言った……

「お前に預けてある鏡の他の後の6つをお前が持っててくれないか？俺が持っていても、コードロスが持っていても、使う道がなくてな。押し付けで悪いんだが。」

その言葉に俺は我を一瞬失っていた。
何故なら……俺が今恐怖している鏡と同じような物が全て手元にくることを…
悪魔を信じているわけではないが……嫌な予感がするのだ……

だが、兄上からの頼みとなるも結局断り切れず……

「俺も正しく使えるかは分かりません…ですが兄王様が言うなら…喜んで受け取ります。」

そうと答えた自分が恨めしく思ってしまった。