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36話目 ページ47

葵視点

影剣「1つ目は、この子に、黒に新たな
肉体を与えてください。
出来ないなら仕方ありませんが…」

肉体を与える、出来ないことはないけど
相当難しいな。
それに、肉体があっても魂がないと…

「出来ないことはないよ。でも、」

そこまでいうと

影「魂の事なら心配ありません。
やっていただけますか?」

遮られた。まぁ、いいか。

「うん。じゃあ、骨をもらって良い?」

と聞くと袋を渡された。
影剣君が腰につけていた巾着。
なかを見ると骨があった。
それをていねいに取り出して布の上におく。
そして、影剣君の方を見るとお辞儀をされた。
胸の前で手を合わせる。

「おいでください。
人の欲に消されたものよ。
理不尽に汚されしものよ。
いま、ここに貴女の魂が。
貴女の肉体が復活せんことを」

そう唱えると部屋の中が明るくなった。
眩しくて目を閉じると

ーーグルルルルル

という獣のうなり声とともに

影「黒!!やめなさい!!!」

影剣君の制止の声と

?「人間は、いらない」

という声、そして

ガリッ

というおとが聞こえた。
目をあけると

影「ッ」

影剣君が私の前にいた。
腕に大きな傷を負った状態で。
驚いていると

?「なぜ、庇ったのですか、主。
人間は害しかもたらさない。
その事は狼様の事で分かっているでしょう」

と黒い獣が話した。すると

影「嗚呼。確かにそうだ。
人間はいつの世も醜く欲深い。
けれども、忘れたか。黒。
狼様、親方様はこうおっしゃられていただろう。
"人間は欲深く醜い。
だが、それだからこそ人間は脆く、儚く
美しいのだ"と。
だからこそ、我は人間に力を貸したのだ。
黒、それは貴様も同じだろう?
人間に希望を抱き、また共存の道を歩みたいと共に願った。黒、貴様と僕は一心同体だからな。なぁ、黒、僕もいきなりこの人間に
忠誠を誓えとは言わない。
現に僕もそうだからな。
でもね、黒。僕は見てみたいんだよ。
親方様が望んだ"我ら"と人間の共存の形を。」

影剣君がそう話すと黒い獣は

?「……分かりました。主。
そこにいるものが現在の主なのですね?」

と聞いてきた。だから

「あ、う、うん。よろしくね」

というと、 ギンッ と睨まれた。
あぁ、こ、怖いなぁ。
てか、この子めちゃでかいよ!?
いや、ほんとに!スゲーでかいんだって!!
下手したら五退虎(極)の虎よりでかいんじゃないの!?
すると、影剣君が正座をした

ーーー
切り悪いけどここできります!

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作者名:黒狼 | 作成日時:2016年12月31日 15時

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