27話目 ページ32
影剣視点
三人が短刀達をなだめる。
でも、短刀達は泣き止まない。
僕が泣かせた。泣かせてしまった。
辛い。つらい。ツラい。ツライ。
泣き止んでほしい。
でも、僕には出来ない。
僕には、そんな権利は無い。
僕はなぜここにいる？
僕はなぜ折れていない？
主さまを助けられず、
アソコにいるあの子達を助けることもできず、今度はここの子達を泣かせた。
僕にはいきる価値なんてないのに。
なぜ、僕はなぜ折れていない？
？「ああ、そうだな。お前は折れるべきだ」
ゾワリ
バッと後ろを振り向く。誰もいない。
誰かの声が聞こえた。嫌な声だった。
？「なぁ、なぜお前は折れない？
お前はアイツラを見捨てた。なのになぜ？」
また後ろから声が聞こえた。
よく聞いた声だ。憎いアイツの声だ。
スッと後ろを振り向くとアイツがいた。
「なんで？なんで貴女がいるの？」
なんで？なんで？なんで貴女がいるの？
だって、ここは
浪「さぁ、何でだろうなぁ？」
そう言ってアイツは何処かへ行った。
一期「影剣殿。もしや、今の方は」
その声でハッ我にかえった。
そして、遅れて恐怖が襲ってきた。
「ｱ、ｱｧｯ ﾊｯ ｧ、ｶﾋｭｯ ﾋｭｯ ﾋｭｯ ﾊｯ」
膝を地面につく。怖い。息が出来ない。
苦しい。怖い。
なぜ？なぜアイツがいたの？
怖い。怖い。恐い。恐い。
ここに入れるの？なんで？
どうやって入ってきたの？
見捨てた？どういうこと？
アイツが僕を捨てたんじゃないの？
恐い。頭が混乱する。
息ができなくて苦しい。涙が出てくる。
「ｶﾋｭｯ ｧ、ｱｧ、ｲ"、ｳ"ｩｯ ｶﾞｯ」
空気を吸えなくて頭痛がしてきた。
痛い。痛い痛い痛い痛い。
苦しい。苦しい苦しい苦しい。
？「旦那！お着付け！ゆっくり深呼吸だ！」
誰かの声が聞こえる。
でも、涙で視界が霞んで誰かわからない。
？「ほら、息をゆっくりと吸うんだ」
ムリだよ。出来ないんだ。
？「大丈夫ですよ。
だから、ゆっくりと息をしてください。」
また、違う声が聞こえた。
誰かにゆっくりと背をさすられる。
その手がとても優しくて、安心する。
「ﾋｭｯ ﾋｭｯ ｯｽｰ」
ゆっくりと息を吸う。
？「そうだ。そのままゆっくりと
呼吸をしてくれ」
「ﾊｰ ｽｩｰ ﾊｰ 」
だんだんと落ち着いてきた。
でも、それと同時に眠気が襲ってきた。
そして、我慢できずにそのまま僕は
眠ってしまった。
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作者名：黒狼 | 作成日時：2016年12月31日 15時
