21話目 ページ26
影剣視点
審神者様の部屋を出て広間に着くと
もう、朝餉の用意がしてあった。
そして、皆が座った。
どうしよう。どうしよう。
僕は、食べられないんだ。
でも、そんな事を言えるわけが無い。
汗をかく。いわゆる、冷や汗？という奴だ。
正直に言って残すのは忍びない。
ずっと、考えていると
五虎退｢あ、あの・・・｣
と五虎退に話しかけられた。
続けて
乱｢僕達と一緒に食べよ！｣
と乱に腕を引っ張られた。
そして、座らされて え？へ？ と慌てていると
一期｢申し訳ありません。今回は、弟達のお願いを聞いていただけませんか？｣
と一期にお願いされた。だから、
｢え、えと、あ、う__はい。勿論です。｣
と返した。弟達がこちらを ( ¬ ω ¬ )ｼﾞｰｰ と
見ているが、気付かないふりをしよう。うん。
すると、審神者様が
葵｢はい！みんな座ったね？
じゃあ、いただきます！｣
と手を合わせて言った。
それに続いて皆も手を合わせて言った。
だから、僕も真似て手を合わせて
｢いただきます｣
と、言った。
でも、箸は持たない。
だって、食べられないから。
ずっと、手を伸ばさないでいると
薬研｢あれ？影剣の旦那、食べねぇのか？｣
と薬研が聞いてきた。
ダメだ。心配させてはならない。
食べないといけない。
大丈夫。吐き気が来ても朝餉が終わるまで我慢すればいいんだ。
そう自分に言い聞かせて食べる事にした。
｢あ、ううん。ごめんね｣
と返事をする。そして、箸を持つ。
でも、
｢あれ？箸って・・どう・使うんだっけ｣
そうだ。ずっと、使っていない。
アイツが来た時からだから・・・
もう4年ほどだろう。
僕は小声で呟いた。
いや、呟いたつもりだった。
でも、粟田口の皆には聞こえていたみたいで
乱｢ねぇ。それって、どういう事？｣
と乱が聞いてきた。
そして、それを聞いた他の刀派の皆も静かになった。でも、何がどういう事なんだ？
黙っていると一期が
一期｢貴方は、何時からものを食べていないのですか？｣
と聞いてきた。
周りの人はどういうことが察したようだ。
それと同時にとても暗い顔をする。
何時からか。言うべきだろうか？
否、言わない方がいい筈だ。
だから
｢一期___一振_さん。申し訳ないけど、
それは言えない。ごめんね。｣
と断り謝った。
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作者名：黒狼 | 作成日時：2016年12月31日 15時
