勿忘草ーforget me notー (ページ12)

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第十一話ページ12

次の日、七星は学校に来なかった。

いじめっ子に見つからないように階段の隅で一人弁当を食べる。

A「…なんでこうなったんだっけ。」

そう呟くと同時にぽろぽろと涙があふれてきた。

A「なんで…私だけこんな目に…」

まほ「その弁当美味そうじゃん。」

はっと横を見ると、

A「…一ノ条まほ…」

まほ「露骨に嫌そうな顔すんなよ…」

急いで涙を拭く。

A「今度は何の用…」

まほ「いただきー」

A「あっ、ちょっと！」

卵焼きを素手で掴み、自分の口へと放り込む。

まほ「んー…やっぱりな。」

何がやっぱりなのか…

まほ「やっぱ美味いな！これお前の母さんが作ってんの？」

A「お母さんは仕事で忙しいから自分で作ってるけど…」

まほ「そーなんか。にしても美味くね。ごっそさん。」

そう言い残すと鍵がかかってるはずの屋上へと消えていった。

A「…自分勝手…。」

一ノ条の後ろ姿を見ながら、私は笑みがこぼれるのがとまらなかった。