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被害者が嫌われる所以 其ノ参 ページ18

〜No side〜

「っ……」

姿の見えない相手の攻撃に対応しきれない如月。

少しずつ…しかし確実に、如月の身体の傷は増えていく。

さらに言えば、体力も消耗してきている。

勿論、幼馴染である皐月がそんな事を傍観しているだけなどという事はなくーー

「如月ばっかり狙ってんじゃねぇ!」

独自の観察眼を持つ皐月は、鬼が攻撃しようとして踏み込んだ時に出来る軽い砂埃を見つけて、鬼の居場所を特定した。

見事、皐月の攻撃は鬼に当たる。

「グゥッ…やるじゃねぇか…」

「姿が消せるっつっても、存在自体が消せる訳じゃねぇからな」

攻撃され、姿を現す鬼。

その隙を見逃さず、如月が鬼の首に刃を振るう。

「しっかしなぁ」

「っ!!如月危ない!」

「俺はマだ本気じゃナかっタんダなァ…?」

「っう、あッ……が…」

「如月さんっ!!」

皐月と美幸が目にしたのは、片手で鬼に首を絞められる如月の姿だった。

「貴様…如月を離せ!」

皐月は自身の内から沸き上がる怒りの感情に身を任せ、鬼に斬りかかるーー



『ーー怒りは、人を動かす原動力になります。

確かに、原動力という意味では、怒りという感情は強い力を持っている。

…しかし、怒りで我を忘れてしまうと、動きが単調になったり、周りが見えなくなったりして、不利に働く事もありますから、注意してくださいね』



「!!」

ーー自分の尊敬する存在に言われた言葉を思い出し、構え方を変え、刀を握り直す。

(……そうだ、怒りで我を忘れちゃ駄目なんだ。

ーー“的確な感情操作が最高の一撃を生み出す”。

そう言われたじゃねぇか…!)

「ーー『“白の呼吸” 壱ノ型 白刃(はくじん)』!!」

皐月の渾身の一撃は、鬼の首を斬り落とした。

「がッ……何、で…コンなガキにィイィィ……!!」

恨み言を残し、鬼は消えていった。

「で、きた…出来た……!!」

「皐月!」

「っで、出来たよ!“兄さん”!!」

「良くやったな!

あと助けてくれてありがとうな!」

如月と皐月が喜びに満ちた表情をしている中…一人、俯く者がいた。

「…どうした?黒城」

「…ど…て………」

「?」

「どうしてあの女の呼吸を貴方が使ったの……?」

美幸は憎々しげに皐月を見た。

被害者が嫌われる所以 其ノ肆→←被害者が嫌われる所以 其ノ弐



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こくらげ(プロフ) - 柚餅子椿さん» こちらこそありがとうございます!お待ちしてます〜 (2019年12月3日 22時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)
柚餅子椿(プロフ) - ありがとうございます!はい、描けたらURLを貼らせていただきます…! (2019年12月3日 22時) (レス) id: 8588a4cb1f (このIDを非表示/違反報告)
こくらげ(プロフ) - 柚餅子椿さん» 全然大丈夫です!むしろこちらからお願いしたいくらいですから、とても嬉しいです!描けましたらコメント欄にURLを貼っていただければ幸いです! (2019年12月3日 16時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)
柚餅子椿(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します!いつもお話楽しく読ませていただいおります!質問なのですが、夢主さん描かせていただきたいのですが大丈夫でしょうか…? (2019年12月3日 16時) (レス) id: 8588a4cb1f (このIDを非表示/違反報告)
こくらげ(プロフ) - こーりさん» いつもコメントをくださってありがとうございます!更新頑張ります! (2019年11月27日 19時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こくらげ | 作成日時:2019年10月8日 23時

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