自覚【毒島メイソン理鶯】 ページ32
side理鶯
「遅いね、左馬刻と銃兎」
「そうだな」
パチパチと燃える木の枝。
一本、また一本と少しずつ足す度に火の粉が飛ぶ。
丸太の上に並んで座り、ぼんやりとそれを眺めるA。
その横顔を見つめていると不意に視線をズラした彼女と目が合った。
「どうかした？」
「いや…随分と嬉しそうにしているなと思って」
「久しぶりに4人揃ってご飯食べれるから。理鶯と作った料理、美味しいって言ってもらえるといいね」
「ああ」
表情を和らげる彼女に小官も同じように笑みを返す。
初めは彼女を警戒していた二人も小官が度々預けるようになってから親しくなった。
彼女と接する事で二人の笑顔が増えた気もする。
仲が良いのはいい事だ。
…だが、いつからか素直に喜べなくなっていた。
二人に笑いかけている彼女を見ると心が荒む。
二人と過ごした話を聞いていると耳を塞ぎたくなる。
__________この、気持ちは
ｻﾞｯ ｻﾞｯ
「A、理鶯ー」
「遅くなってすみません。馬鹿刻がまた面倒ごとを起こしまして」
「あ"あ"⁉今俺様をなんつった銃兎てめぇ！」
「またやってるあの二人」
クスクス笑うAは立ち上がると、こちらに来る手前で喧嘩を始めた二人の仲裁に入るため向こうに駆けていく。
_______否、駆けていこうとしたのを、衝動的に動いた両腕が捕らえていた。
行くな
そう言うように、強く。
「理鶯…？」
「…っ、すまない、その先にはこの前作ったばかりの落とし穴があってだな」
「テントの近くに作ったの⁉わ、分かった…お互い間違って踏んじゃわないよう気をつけなきゃね」
咄嗟について出た嘘も疑う事を知らない彼女は素直に頷いた。
腕を離すと今度こそ行ってしまったA。
温もりのなくなった腕を寂しく想うのは、子が巣立つ親の心情とは違う。
その笑顔を独占したいと思うのは、紛れもなく___
「_________....好きだ、A」
小さな呟きは彼女の耳に届く事なく空気に消えていく。
二人と仲良くなってほしいと思ったのは小官だ。
…だが
「後悔など、軍人失格だな…」
情けない想いと共に、乾いた笑いをこぼしたのだった_______
＿fin＿
.
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こあら(プロフ) - かっぱの子さん» いえいえこちらこそありがとうございます！楽しみにして待ってます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年4月2日 21時) (
レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - こあらさん» 大丈夫ですよ！リクありがとうございます！！ (2018年4月2日 21時) (レス) id: 28c80c45d6 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 短編集待ってました！おめでとうございます！後リクエストしてもいいですか？うたプリのカルテットナイトって出来ますか？できればでいいのでお願いします！いつも見ています！これからも更新頑張ってください！大好きです！頑張ってください！長文失礼しました！ (2018年3月27日 14時) (レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
性別を間違えた人間 - はい！！おkです！！頑張って下さい!!(`-ω-´)b (2018年3月24日 22時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 性別を間違えた人間さん» リク了解しました！オカン組は主要高の5人で大丈夫ですか？ (2018年3月24日 17時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年3月22日 20時
