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side貴方
『やっほー』
「黒尾先輩声緩んでる〜、寝起きですか?」
『バレた?やー今日は部活オフだからついね』
「羨ましいです」
時計に目をやるともうお昼前。
こんな時間まで寝れるなんて!
私は8時に起きて勉強してるのに…
はぁ、と重い息をつくと笑いながら『どーしたよ』と言う先輩。
軽い態度だけどこれでもちゃんと心配してくれてるんだよなぁ。
誰にも言えなかった事も彼相手だと話せて…
ふふ、と笑みがこぼれているとふいに奪われた携帯。
「お久しぶりですね黒尾さん」
『ん?その声赤葦か?』
「はい。すみませんがAは今勉強中でして…ね?A」
「ひゃあ⁉」
ふ、と耳に吹きかけられた息。
びっくりして跳ねた体を抱きとめながら京治は何食わぬ顔で通話を続ける。
「そういう訳ですから」
『いやどういう訳⁉てか勉強って、え、お前等一体なんの___』
「……分かりませんか?」
「っん⁉ぁ、ん、ん…‼」
ニヤ、と口角を上げた京治は私の唇を自分の唇で塞いだ後携帯を近づける。
まるで先輩に聞かせているように。
かぁっと熱くなった頰に嬉しそうに目を細めた彼は唇を離すと___
「ナニしてるか、黒尾さんならすぐ分かりますよね…?」
『ならってどういう事だ、お前ちょっと馬鹿にしてんだろ!』
「そんな訳ないですよ。ではこれで」
一方的に、ぷつ、と切る。
コト、とテーブルの上に置かれた携帯はどうやら電源を切られたみたいで。
ふ、と視線がぶつかった瞬間、息もつく暇もない程に早く肩を押され、背が床についた。
「け、いじ…?」
「………」
私の上に跨る彼は、散らばった髪の毛を1束とるとスルスル指の間を通り抜けさせていく。
くるくる弄ぶようにしばらく遊んだ後、フ、と弧を描いた唇がゆっくりと開かれて___
「………勉強、再開しよっか?」
甘く脳を溶かすように囁かれた言葉に、もう彼しか見えなくなった___
_fin_
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こあら(プロフ) - かっぱの子さん» いえいえこちらこそありがとうございます!楽しみにして待ってます!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月2日 21時) (レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - こあらさん» 大丈夫ですよ!リクありがとうございます!! (2018年4月2日 21時) (レス) id: 28c80c45d6 (このIDを非表示/違反報告)
こあら(プロフ) - 短編集待ってました!おめでとうございます!後リクエストしてもいいですか?うたプリのカルテットナイトって出来ますか?できればでいいのでお願いします!いつも見ています!これからも更新頑張ってください!大好きです!頑張ってください!長文失礼しました! (2018年3月27日 14時) (レス) id: 1bc18c067e (このIDを非表示/違反報告)
性別を間違えた人間 - はい!!おkです!!頑張って下さい!!(`-ω-´)b (2018年3月24日 22時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 性別を間違えた人間さん» リク了解しました!オカン組は主要高の5人で大丈夫ですか? (2018年3月24日 17時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年3月22日 20時