#33 ページ35
*
アップが終わると、Aと木葉さんが体育館に戻ってきた。
俺と目が合ったAは、ニコッと微笑む。
「ちゃんと話せた？」
「うんっ、バッチリ！木葉さんいい人だった」
「そっか。ならよかった」
変に心配していた俺は、Aの笑顔で安心した。
きっとこの不安は、
Aに俺が好きじゃないことをバラされるのではないかと思っていたからだ。
ホント、俺はとことんクズ野郎だ。
「ねぇ、部活見学してもいい？」
「…まぁ、いいと思うけど。一応先輩に聞いてみる」
主将である木兎さんに聞けば、
「いいに決まってんだろ！可愛い子がいる方がヤル気出るからな！」
なんて。予想通りの返答。
練習が始まると、Aは見学をしているだけなのに、嬉しそうにニコニコしていた。
たまに目が合うと、俺に小さくガッツポーズをしたり。
マネと一緒にボール磨き手伝ったり。
「木葉さん。Aのこと…、ありがとうございました」
自主練習中の木葉さんにお礼を言うと、驚いたように俺を凝視した。
「ははっ。ホント、良い彼氏だな」
馬鹿にしたように頭をクシャっと撫でられる。
でも、笑っていた顏はすぐに真顔になった。
「予想以上でビックリしたわ、あの子」
「え…？」
木葉さんはチラリと視線をAに向ける。
ちょうど目が合ってしまったのか、木葉さんはすぐに顔を背けたけど
Aは満面の笑みで手を振ってきた。
その姿を横目で見た木葉さんが、引きつった苦笑いを浮かべる。
額には、薄っすらと汗をかいていた。
「ハ…ッ。平気な顔して手ぇ振ってやがる。意味わかんねぇよ、ホント」
「あの、どういうことですか？」
「俺がバラす可能性なんて、これっぽっちも気にしてねぇんだから。怖いよな」
「だから何が…」
木葉さんは俺を一瞥すると、感情の入り混ざったような複雑な表情を見せた。
「お前、別れたら？」
「……は？」
そんなわかりきったこと。
できたらとっくにやっている。
「木葉さんには関係ないじゃないですか」
「あるよ。何も知らないお前見てるとイライラするんだ」
そう言われて反論しようとしてやめた。
取り乱すのも、感情的になるのも好きじゃない。
「ほっといて下さい」
背を向けた俺の肩を木葉さんが掴んでこう言った。
「捨てろよ」
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ナツ - Chloe＊*(くろえ)さん» あー、よく言われます…。名字綺麗だね、見た目もそんな感じだね、でも性格はあってないね！…って言われます。泣きそう。 次回作も楽しみにしてます、では!! (2015年4月8日 18時) (
レス) id: 6fee1e567e (このIDを非表示/違反報告)
Chloe＊*(くろえ)(プロフ) - ナツさん» 夏樹さんですか！珍しいというより綺麗ですね！私は響きが綺麗で小説のイメージに合うような名字にしているので、本物の夏樹さんに出会えるとは笑。閲覧ありがとうございました^ ^ 次回作は 皆様と名字が被らないように気をつけます！笑 (2015年4月7日 18時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 実は私の名字、夏樹だったりします（笑） くろえさんの話を読むのは2回目だけどどちらも綺麗な話でした。 (2015年4月7日 15時) (レス) id: 6fee1e567e (このIDを非表示/違反報告)
Chloe＊*(くろえ)(プロフ) - さかなくん2号さん» ありがとうございます！さかなくんさんにはいつも小説に目を通して頂いて、コメントまで…。本当に感謝しかありません！次回作は夜久さんです！短編でしか書いたことがないんですけどねw頑張ります！ロリ×夜久さんですが、嫌じゃなければ見て下さい^ ^ (2015年4月5日 23時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe＊*(くろえ)(プロフ) - 藤ちゃん。さん» ドロドロ展開が苦手なのにも関わらず、最後まで目を通して頂けたなんて嬉しいです！本当にありがとうございました！泣 次回作のストックたくさん溜めます！笑 これからもよろしくお願いします。 (2015年4月5日 23時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろえ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/laruku/
作成日時：2015年3月15日 19時
