#26 ページ28
家に帰って夕飯を食べて。
案の定、Aに内緒で買ったシュークリームを
アイツは本当に嬉しそうに食べてくれて。
なんだかんだ言って結構楽しかった。
風呂も済ませて
各自、明日の準備をしていたとき、不意にAが質問をした。
「ねぇ。赤葦くんの部活の先輩に、“木葉秋紀”って人いない?」
唐突に出てきた木葉さんの名前に、ドキッとする。
「い、いる…けど。なんで?」
「いや、別に。聞いてみただけ」
本当に、ただ何気無く聞いたように
Aは平然とした顔をしていた。
でも、今日の練習で木葉さんと話した後だと
妙に気になってしまう。
「Aと木葉さんって知り合いだったっけ?」
下手くそな鎌かけ。
Aはいつも通りに笑うだけだった。
「ううん、全然」
その瞬間。
何かがおかしいことに気がついてしまった。
Aは木葉さんのことを知らないと言っているのに、
木葉さんはAと知り合いかのような口ぶりだった。
____“今のままだと、いつかAちゃん死んじゃうんじゃねぇの?”
____“お前、知らなすぎ”
____“ちゃんとAちゃんのこと見てるか?本当は、見ないフリしてんじゃねぇのかよ”
「…………」
おかしい。
本当に知り合いじゃないのか?
だとしたら、Aの言ってることが噛み合わなくなる。
木葉さんが俺をからかっていただけなのか。
それとも、Aが嘘をついているのか。
でも2人の関係性がわからない。
どうして。
なんで。
どっちが正しいんだよ。
答えなどでない無限ループにはまっていると、
「気になる?」
Aの、冷えたような声が耳に響いた。
「…え?」
俺を見つめる目があまりにも笑ってなくて、動揺を隠せない。
黙り込んだ俺に、Aが柔らかく頬を緩めた。
「なんちゃって!冗談だよ。実はちょっと話したことあるけどね。でも、本当に知り合いとかじゃないから」
「あ…あぁ。…そうなんだ」
いつも通りの笑顔で笑うAに
安心したような気もしたけど、
正直、モヤモヤしている部分もあった。
「じゃあ、話したことあるってどういうこと?」
その問いに、Aが口角を上げて
ニヤッと怪しい微笑みを浮かべる。
「あの人にお金借りてるんだよね」
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ナツ - Chloe**(くろえ)さん» あー、よく言われます…。名字綺麗だね、見た目もそんな感じだね、でも性格はあってないね!…って言われます。泣きそう。 次回作も楽しみにしてます、では!! (2015年4月8日 18時) (レス) id: 6fee1e567e (このIDを非表示/違反報告)
Chloe**(くろえ)(プロフ) - ナツさん» 夏樹さんですか!珍しいというより綺麗ですね!私は響きが綺麗で小説のイメージに合うような名字にしているので、本物の夏樹さんに出会えるとは笑。閲覧ありがとうございました^ ^ 次回作は 皆様と名字が被らないように気をつけます!笑 (2015年4月7日 18時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 実は私の名字、夏樹だったりします(笑) くろえさんの話を読むのは2回目だけどどちらも綺麗な話でした。 (2015年4月7日 15時) (レス) id: 6fee1e567e (このIDを非表示/違反報告)
Chloe**(くろえ)(プロフ) - さかなくん2号さん» ありがとうございます!さかなくんさんにはいつも小説に目を通して頂いて、コメントまで…。本当に感謝しかありません!次回作は夜久さんです!短編でしか書いたことがないんですけどねw頑張ります!ロリ×夜久さんですが、嫌じゃなければ見て下さい^ ^ (2015年4月5日 23時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
Chloe**(くろえ)(プロフ) - 藤ちゃん。さん» ドロドロ展開が苦手なのにも関わらず、最後まで目を通して頂けたなんて嬉しいです!本当にありがとうございました!泣 次回作のストックたくさん溜めます!笑 これからもよろしくお願いします。 (2015年4月5日 23時) (レス) id: cd00655754 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/laruku/
作成日時:2015年3月15日 19時