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「主からは何か伝えることはあるかい？」
燭台切に聞かれ、少し考える。
「出陣は行きたくなったら、行けばいい」
「……」
本丸がシンと静かになった。
それぞれ、思うことがあったからだ。
新人たちは、どういう意図で発せられた言葉なのかわからず、首をかしげていた。
「なあ、大将どういう意味だ？」
信濃がAの袖を引き聞いた。
「そのままの意味。
無理に出陣しなくていい。
今日でなくても、明日でなくても、行きたいときに出陣すればいい。
政府からの任務だが、無理強いはしない」
「なるほど？」
信濃は納得したような、しないような。
あいまいにうなずいた。
だが、Aに救われた刀剣男士たちは、Aの優しさを感じていた。
また、折れるかもしれない不安。
Aをどこかで信じきれていない事実。
帰ってきた時、ちゃんと手入れしてもらえるのかという、疑い。
意気込み気合を入れている者も、どこかで不安に思っていた。
しかし、Aの言葉にホッとした。
無理に出陣させられることは、無いのだと。
この主のことだから、今までのが全部演技でしたなんて、ありえない。
「ま、俺は何と言われようと行くがな」
そういったのは同田貫だった。
「ああ、俺もだ」
「ぼくもかつやくしちゃいますよー！！」
同田貫を皮切りに、また、たくさんの声が上がる。
その喧騒を落ち着かせるように、燭台切がパンと一度手を叩き言うと、重い空気が一気に軽くなった。
「おっけー。ありがとう主。じゃあ、食べようか」
朝の稽古や走り込み、畑仕事なんかですでに疲れているものはお腹がぺこぺこであり、
それ以外も、『いただきます』の一言を待ちわびていた。
「じゃあ、掛け声を山姥切」
「手を合わせろ」
パンっと威勢のいい音が揃う。
「いただきます」
「「「いただきます！！」」」
賑やかな食事が、今日もまた始まった。
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ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» ご指摘ありがとうございます！！修正しました！今後ともよろしくお願いします！ (2019年4月3日 0時) (
レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - 政府の役人の黒い部分が見えたり、主人公が感情を覚えてきたことでどんどん面白くなっていて引き込まれるものがあります。誤字だと思うのですが、66話の手元の紙が髪になってます。69話の我々が〜の部分が我々た〜になってますよ。これからも更新楽しみにしてます(^-^) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 寧々さん» ありがとうございます(^^) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。続編頑張ってください。 (2019年2月23日 17時) (レス) id: 3564a3a532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月23日 17時
