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温かい。
Aは、そう思った。
抱きしめられるのは、初めてだった。
人とは、こんなにも温かいものなのだと、しみじみと感じていた。
そして、それと同時に、それから離れることが寂しく思った。
『こんな気持ちだったのだろうか』
自分が殺してきた人間も、残された人間も。
『すまない……』
自分の罪も意識せず、そういうものだといって、安易に謝罪の言葉を口にした己の行動を悔いた。
そして、その行動に敵意を持ちながらも、こちらのためを思い引いてくれた安倍の刀剣男士たちには、感謝しなくてはならない。
「三日月、行くなと言われても、私は行くしかないんだよ」
今まで、小説の真似ばかりしてきた。
真似をしなくては、私は『人間』でいられなかった。
しかし、それを皆は望んでいなかった。
だから、落ち込み、信じていいのか迷いが生じた。
「ここで逆らって、三日月たちも『処分』される事にはなってほしくない」
三日月の気持ちは理解できる。
私だけが、三日月の心の支えになれる。
それが無くなってしまったら、自分はどうなってしまうのだろうか。
それが怖い。
だから、『行くな』
けれど、それに答えることはできない。
「三日月、人間になれなくて、すまなかったな」
もう一度、この本丸に戻ってこれるとしたら、今度こそ本当の人間になれるだろうか。
「A……」
ああ、寂しいな。
もう二度と、会えないかと思うと、心に穴が空くようだ。
「大丈夫だ。ここに、皆に危害を加えようとするものを弾く結界を張っていく。
それならば安心だろう？」
「そうではない。
Aでなければ、俺は……」
人が怖い。
信用できない。
それは、みんなもまだ同じだろう。
わかってる。
「三日月、私を人間にしようとしてくれて、ありがとう」
顔を上げて、その頬に触れる。
温かい。
ぎゅっとその手を握られた。
「俺たちこそ……俺たちの主なってくれて、ありがとう。A」
そう言って、三日月は泣いていた。
「泣くな。またきっと、出会える。
こんのすけ、行こう。
陸奥守、皆を門の前に集めてくれ」
三日月から離れながら言うと、陸奥守は鼻を啜りながら頷いた。
「ああ、わかった」
もし、私が人間だったら、こんな事にはなら無かったのだろうか。
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ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» ご指摘ありがとうございます！！修正しました！今後ともよろしくお願いします！ (2019年4月3日 0時) (
レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - 政府の役人の黒い部分が見えたり、主人公が感情を覚えてきたことでどんどん面白くなっていて引き込まれるものがあります。誤字だと思うのですが、66話の手元の紙が髪になってます。69話の我々が〜の部分が我々た〜になってますよ。これからも更新楽しみにしてます(^-^) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 寧々さん» ありがとうございます(^^) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。続編頑張ってください。 (2019年2月23日 17時) (レス) id: 3564a3a532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月23日 17時
