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「まだ、帰ってこないのか？」
手入れ部屋を覗きに来た蜂須賀が、不安とイラつきで不機嫌に聞いて来た。
「まだだ」
中で、先に帰還した博多藤四郎、包丁藤四郎、大包平を、式神達が手当てしている様子を、手持ち無沙汰見ていた山姥切が答える。
蜂須賀が辺りを見渡し、姿の見えない人物の在処を訪ねた。
「主はどこだ？」
「門の前で待機している。
帰還してすぐに応急処置を施せるようにと」
「……帰還命令が出て、どれほどだった？」
「もうすぐ二時間だ」
時計を見上げる。
カチコチと、振り子が左右に揺れている。
藤四郎たちは、手入れされている兄弟二人に寄り添い、鶯丸も、重傷の大包平の手入れが終わるのをすぐ横で待っていた。
他の皆も、広間や、台所で帰ってこない3人の帰りを待っていた。
あの後すぐ、皆が不穏な空気を察し、状況を説明した。
古参達があげた戦果の中には、検非違使を討伐した記録が幾度となくある。
だが、検非違使なんぞと、安直に考える者はいなかった。
何故なら、今回襲われたのは、練度の低い者たちを中心とした、いわば、平均レベルの低い部隊。
検非違使はそんなことは御構い無しに、彼らとは段違いな強さでおそって来る。
時間遡行軍をも上回る力で。
帰還命令を出して間も無く、練度の一番低い包丁と博多が帰還した。
その後に大包平。
残るは、同田貫と日向、浦島なのだが、待てども帰還してこないのだ。
部隊長を務める同田貫は、積極的に出陣に参加している故、練度は部隊の中で一番高いので、日向と浦島が共にいるならば心配は少ないのだが、一向に帰ってこない理由がわからないのだ。
まだ、中傷だった博多と包丁は、遭遇してすぐに攻撃を受け、他の皆に庇われ、敵の隙を見て帰還したという。
その次に帰還した大包平は重症で、帰還した途端倒れ、いまだに意識が回復しない。
「浦島は……残りの3人は、大丈夫だろうか……」
帰って来た3人の怪我の具合から、不安が募る。
「……大丈夫だろう」
二人の間に暗い沈黙が流れた。
どこかで思っているのだ。
もうすでに誰か一人『折れている』のではないかと。
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ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» ご指摘ありがとうございます！！修正しました！今後ともよろしくお願いします！ (2019年4月3日 0時) (
レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - 政府の役人の黒い部分が見えたり、主人公が感情を覚えてきたことでどんどん面白くなっていて引き込まれるものがあります。誤字だと思うのですが、66話の手元の紙が髪になってます。69話の我々が〜の部分が我々た〜になってますよ。これからも更新楽しみにしてます(^-^) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 寧々さん» ありがとうございます(^^) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。続編頑張ってください。 (2019年2月23日 17時) (レス) id: 3564a3a532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月23日 17時
