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教師のように、親のように、感情が芽生えつつあるAに、何か手伝いをしようと、どんな気持ちになったかを問いかけたのだが、突然すぎたかと、三日月は言葉を補った。
「例えば、術師を悪者するなんて酷いとか、もっと終わりを良いものにすればよかったのにとか」
それを聞いて、首を傾げたまま、Aが言った。
「神の創造物に意見を言ってもいいのか？」
突然の壮大さに、三日月は戸惑う。
「『神の創造物』？その話がか？」
「そうだ」
と、Aは首を縦に戻しながら言った。
本に目を落とすAに、三日月が再び問いかける。
「何故そう思う？」
「この本に書いてあった」
そう言って、短編集の本を膝の上に置き、傍の山から一冊の本を抜き取った。
それはどうやら長編物語のうちの一冊らしく、渡されたそれのあらすじを読んでみると、飛び飛びの内容で、全貌を把握することは難しかったが、どうやら一人の作家を目指す青年の物語らしかった。
「なんと書いとあったんだ？」
Aに本を返しながら聞くと、パラパラと本をめくり、終盤に近い頁を見せてきた。
文の内容から察するに、小説家になろうと思った回想で、青年が幼い頃、近所に住んでいた小説家と話しているシーンだった。
そこに、Aが言っていたような言葉を、小説家が言っていた。
『小説を書くってことはね、つまり、一つの世界を作ったってことなんだよ。
だから、それを書いた人は神様なんだ。
誰も思いつかなかった世界を、誰も思いつかなかった登場人物たちを生み出せる。
無いものを作る。
現実ではあり得ないことを起こす。
小説家って、とっても楽しいんだ。』
パタンと、Aが本を閉じた。
「ここに書いてある通り、作者が神であるなら、小説は『神の創造物』だ。
神が生み出したものに、登場人物や物語を何も考えず、ただ読んでいるだけの『人間』の私が、あれこれ口を出していいはずがない」
神についても、宗教や何かの本を読んだのだろう。
それを元に、その一文を解釈し、そして『神の創作物である物語に、口出しはしない』という結論を出したのだろう。
今までに身につけた知識を活用しての、Aなりの考えに、三日月は感嘆した。
「なるほど。確かにそうだな」
Aの膝に乗せられていた本を取り、栞のページを開く。
そこには、魔女を倒した勇者が喜んでいる挿絵があった。
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ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 面影草さん» ご指摘ありがとうございます！！修正しました！今後ともよろしくお願いします！ (2019年4月3日 0時) (
レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - 政府の役人の黒い部分が見えたり、主人公が感情を覚えてきたことでどんどん面白くなっていて引き込まれるものがあります。誤字だと思うのですが、66話の手元の紙が髪になってます。69話の我々が〜の部分が我々た〜になってますよ。これからも更新楽しみにしてます(^-^) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 寧々さん» ありがとうございます(^^) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。続編頑張ってください。 (2019年2月23日 17時) (レス) id: 3564a3a532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年2月23日 17時
