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「どういうこと!?」
男子よりも食い気味に問い詰める水越さんに答えるように、里見くんは話し続ける。
「あぁ。さっき、真壁と2人で美術準備室に行ったんだ。」
「中尾がいたのか?」
「あ、いや…東海林だけで、姿は見てない。でも部屋の中が少し見えて、全く同じパンの食べかけが2袋あった。」
「いやでもそれだけで生存確定は無理があんだろ!
それに2袋ならブッキーと東海林の分だろうしさ!!」
確かにそうだね。うんうん分かるよ。
……まぁその二袋のうちの一つは私が中尾くんにあげたんですけども。
「あ、あと遺体の匂いが全くしなかった!普通なら多少の異臭が漂うはずだ。」
「それだって、遺体を別の場所に隠したり…バラバラにしてトイレに流したとか!」
「ねえ!なんでそんなネガティブに捉えるわけ?本当に生きてるかもしれないじゃん!!」
水越さんは中尾くんが生きてると分かり、目に生気が戻ってきたようだ。
必ず最後に愛は勝つ、といつぞやのヒット曲にもあるように愛は偉大なんだな。
「ねぇ東海林」
「…はい」
「何で蓮の動画を撮ってたのか、教えてくれない?」
……ほう、そうきたか。
ならばそれなりにお答えしないとだね。
「…いくつか、違和感があったからです。
だから撮影して、そこから真か偽か調べようと思って…」
「そっか…ちゃんと話も聞かずに殴ってごめん!
唯月と愛華には私の誤解だって言うから!」
「…いえ。諏訪さん達の言う通り、私はおかしいのは事実ですから。水越さん、何も言わないでください。」
きっと諏訪さんなら水越さんを切り捨てることだってやりかねない。
ただでさえ愛する人が生きてるのかさえ分からないのに、友情まで失っては流石に可哀想だ。
「東海林の言い分はともかく中尾が生きてたとして、なんで殺したふりなんかすんの?」
「…俺らに恐怖心植え付けるためだろ。」
「確かに殺しをやるような奴に歯向かえないもんな…」
一部男子の中で広まる、先生に対する【疑問】。
「でも先生には爆弾がある…」
「問題はそこ!リモコンさえ奪えれば逃げれんだけどな…」
「だったら俺が奪ってやる。」
そして、あまりにも子供じみた作戦。
まるで中尾くんが赤帽子と緑帽子に助けられる桃の姫みたい。
「…ふふ、」
そう考えると、内心笑いが止まらなかった。
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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります!更新待ってます! (2020年1月12日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます!更新、待ってます!! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです!更新頑張ってください! (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月24日 6時