□2015年4月1日 ページ31
魁皇高校の入学式直前。先日発表されたクラスへ行って出席番号順に座る。
席は前から3番目と可もなく不可もなく。
入学式が始まるまで本を読みながら待つ。着々とクラスメイトになるであろう人達が座っていくのに対して、私の隣の席は空いたまま。
「間に合った〜!」
豪快に開けられた扉の音と活発そうな女子の声が聴こえてきた。
ポニーテールの明るめの茶髪が揺らし、額には微かに汗が滲んでいる。相当走ってきたのだろう。
そんなことを思っていたら、そのポニーテールの女子は黒板に貼られた座席表をじっと見つめた後、私の隣に座った。君だったのか。
「ねぇねぇ、どこの中学?」
前の子にでも聞いてるのか、女の子は嬉々とした声で話しかけている。コミュニケーション能力が高いところが羨ましい。
私なんかお姉ちゃんに物凄く心配されたのに今は他人の声をシャットアウトだ。なんて姉不孝な妹なんだ。
…そう思っていたら、顔を本から少女に無理やり向けられた。動かない活字から揺れるポニーテールが映る。
「ねーえ!聞いてるっ?」
「……ごめん、私だったとは思わなくて。」
最近の女子はコミュニケーションは強引なんだな。新しい知識を得た。
「せっかく隣の席同士なんだし、仲良くしよ!」
「東海林小春です。私でよければ、よろしく」
「うん、よろしく!ていうかめっちゃ可愛くない?コスメ何使ってんの?」
「コスメ…うーん、お姉ちゃんの借りてるからよく分かんない…
帰ったら調べてくるから明日提出ってことで。」
「あははっ、提出ってウケるー!小春って面白いね!
あっ!私の名前まだ言ってなかったね!私は____。よろしく、小春!」
「そっか……」
.
.
.
__
___
______
「『よろしく、香帆』…か……」
Next to…【妬む痛み】
1068人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります!更新待ってます! (2020年1月12日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます!更新、待ってます!! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです!更新頑張ってください! (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無音 | 作成日時:2019年3月24日 6時