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「蓮…蓮っ！ねぇ…！」
刺されたてホヤホヤの恋人を前に、水越さんは泣き崩れた。しかしそれも1分程度ですぐさま中尾くんは先生に引き摺られていった。
.
「……撮影終了、っと。」
ポン、とスマホの録画停止ボタンを押して胸ポケットに仕舞う。
後は準備室に戻ってからしようかな。はぁ疲れた。帰ろ帰ろ。親知らずの止血もしないといけないし。
「……待ちなよ」
教室へと戻ろうとしたら、水越に呼びとめられる。
……あーこれ、無視して戻るべきだったかもしれない。後悔先に立たず。
「ねぇ何で！何で撮影してたの!?ねぇ!?蓮を助けられたのに！最低！人殺し！サイコパス！！」
「…うるさいなぁ。そんなに言うなら自分が助けに行ったらよかったでしょ？」
「ふざけないで！返して！蓮を返して！！」
返せと言うべきなのは私じゃなくて柊先生に言った方がいいと思う。
まぁその柊先生は中尾くんのご遺体引き摺りながら帰っちゃったけど……
「東海林テメェ！消せよ！今すぐその動画消せよ！！」
「…何言ってんの？あとで消すに決まってんじゃん。人が刺される動画なんて呪われそう。」
「蓮！蓮…！！」
「…うるさい。シンデレラでもないくせに悲劇のヒロインぶるな。」
「お前…俺たちの味方じゃねぇのかよ！！」
「……ははっ、味方ぁ？」
兵頭くんの言葉に、思いがけず笑ってしまった。
まさか味方だなんてそんな単語が出てくるなんて思わなかった。
どこまでこのクラスはおとぼけ連中ばかりなんだ。
「…私は別に貴方達の味方でも敵でも何でもない。
ただの3年A組の生徒。それだけ。勘違いしないで。」
そう言い残して、教室を出た。
美術室に到着し、扉を開こうとすれば扉は自ずと開いた。
…否、さくらが扉を開けたのだ。
「小春…あの、大丈夫？」
「…えっと、まぁぼちぼち。あっ甲斐くんに殴られた時に親知らず折れたぐらい……？」
「あの時の…！先生に手当てしてもらってね!?いい!?絶対だよ!?」
「…はーい」
さくらは相変わらずお節介だ。
……あの時から、何も変わっていない。
.
「…さくら、」
「ん？どうしたの、小春？」
「…今まで、机を綺麗に拭いてくれてありがとうね。」
「……え"っ!?小春？待って、気づいて……！！」
「おやすみ〜」
「逃げられた…！」
慌てるさくらがあまりにも面白くて、笑ってしまった。
……あぁ、今日から10日間。
.
「…ちょっとだけ楽しみ、かも」
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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります！更新待ってます！ (2020年1月12日 22時) (
レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります！更新待ってます！ (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます！更新、待ってます！！ (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです！更新頑張ってください！ (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです！更新頑張ってください！ (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無音
| 作成日時：2019年3月24日 6時
