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「おい。テメェ今何て言った?」

「…別に口に出すつもりはなかったの。
軽率に煽るようなことを言ってごめんなさい。」

「謝って済むならサツはいらねぇんだよ!」


はーい、一発顔面に右ストレート。
多分親知らずが折れました。痛くないけど。

とはいえ、いくら私が痛みを感じないとはいえ死なない訳ではない。
仮に死ななかったとしても、痛いって思うぐらい痛々しい姿になるのは目に見えている。


「殴っても殴っても、まるで痛くないみたいに平然としてやがる…
俺はお前のそういうとこが気に食わねぇんだよ!」

「…気に食わない程度でサンドバッグにされちゃ、傍迷惑もいいとこだよ。」

「ッ、だから…いい加減に!」

「景山澪奈はッ!!」


甲斐くんの怒りを搔き消すぐらいの大きな声が響く。
叫んださくらを見れば、やっぱり俯いて顔が見えなかった。


「景山澪奈は、今年の全国大会でドーピングした事がバレて自 殺した…」


絶望、だった。

私がどれだけ責められようと、どれだけ殴られようと、それが私の報いだと受け入れてきた。
だけど……その言葉は、さくらにだけは言ってほしくなかった。


「それがお前の答えか?それで…いいんだな?」

「しつけぇな!良いに決まって__」

「茅野に聞いてんだ!」


声を荒らげた先生に、甲斐くんを含めクラスメイトは驚く素振りを見せる。
甲斐くんの動きが止まった隙に、甲斐くんから離れた。


「お前が景山の何を見てきて、何を見てなかったのか…よく考えるんだ」

「…今さら何を言ったところで澪奈は帰ってきません。
もうこれ以上、小春が傷つくところを見たくないです…」


さくらは、どこまでも優しい。
今のこの状況でも、私を守ろうとしている。




……だけどね、さくら


「…私を守りたいって気持ちは優しさじゃなくて、罪悪感だと思うよ。」

「小春…」



「…確かに景山を失い、東海林が今まで傷ついてきた過去は変わらない。
でも、これからのお前を変えることは出来る。自分自身で考えて答えを出すんだ。」


Let’s think…考えましょう…


私も、考えなければいけない。
私が間違えたこと、そして…失ったものを取り戻す方法を。


「…あのさ、何か二人の世界に入ってるけどもう答えは出てるから。
澪奈は水泳界のプレッシャーに圧されてドーピングを…」

「違う!!
…澪奈が自 殺したのは、そんな理由じゃない」



さくらから呟かれたのは、何もかもが変わってしまったあの朝のことだった。

■2018年9月→←■⇒



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蒼炎 - アンナチュラルも3年A組も好きなドラマだったので、続きが気になります!更新待ってます! (2020年1月12日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新待ってます! (2019年12月3日 4時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいてます!更新、待ってます!! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 主人公が私の好みです!更新頑張ってください! (2019年4月24日 20時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
かれーこ - このお話好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 6209d012cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月24日 6時

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