【3年A組】不自然な彼女

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(ミコト視点)


「瀬ヶ山署、生活安全課の郡司です。」

「生活安全課の宮城です！」

「UDIラボ、法医解剖医の三澄です。」

「同じく臨床検査技師の東海林です。」

「バイトの久部です！」


小春ちゃんとの着信の直後、瀬ヶ山署の刑事さんが私達に声をかけてきた。
柊一颯と小春ちゃんの関係を知った郡司さんが、私達にも捜査に協力してもらいたいとの事だった。


「あぁ、これです」


校長先生が郡司さんに渡したタブレットには、ある画像を映されていた。


「柊一颯、27歳。専門は美術。2年前、咲宮高校から転任。穏やかな性格で評判も良く、去年10月からA組の担任を受け持つ……半年前に担任を受け持ったって事は誰かと交代されたんですかねぇ？」

「えぇ、それまでＡ組の担任だった小久保裕子先生が休養されたんで…」

「あぁ…じゃあ産休とか、そういう？」

「いえ…生徒が自 殺したんです」

「あの！それって…景山澪奈さんのことですか？」

「…この生徒です」


久部くんが聞けば、校長先生は気まずそうに俯き、再びタブレットを郡司さんに渡す。
…タブレットに映されていた生徒に、私達は見覚えがあった。




「澪奈ちゃん…」


小春ちゃんから感情も消えたきっかけになった、女の子の姿だった＿＿＿


「あっ！この子あれですよ！水泳の全国大会で優勝した！」

「よく知ってんなぁ」

「すごい人気でしたもん。実力もさることながら、この容姿ですからねぇ…自 殺したときも相当話題になりましたよ」


宮城さんの情報は、毛利さんたちから聞いた情報と同一の部分がいくつかある。
小春ちゃんが言ってた通り…凄い子だったんだなぁ…


「で、自 殺の原因は？」

「それが我々にも分からないんです…
遺書もなかったもんですから…ただ…」


だからこそ、ただの自 殺とは思えない。



.




____…ミコトさん……?


_____…ミコトさん、お姉ちゃん…お願い…。


_____…澪奈を、たすけて……




.





「飛び降りた彼女の隣には、景山澪奈の返り血を浴びた東海林小春がいたそうなんですよ……」


彼女の死は、不条理な死かもしれないことに。

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