3年目の3/9、夜 ページ15
「んふふ、えへへ」
あのプロポーズ以降、Aがにやけまくりである。
帰ってきて余計密着度が上がってる気がする。
今に至っては俺の膝に座って、俺があげた指輪がはめられた左手の薬指を見つめては変な笑い声をあげている。
可愛いな?いつもより素直な気がする。うん可愛いわ。
「ふふ、んふふぅ〜」
「…笑いすぎじゃね?」
「えー?だって、嬉しいんだもん。
大好きな海斗くんがくれた指輪、すごく嬉しい。」
一生の宝物だね、なんて言って笑い続ける。
そういうところが可愛いんだよ。いい加減自覚しろ、いや本当に。
「A、」
「はいはい何です_」
か、と言おうとする前に口を塞ぐ。
何十秒もしていたら、苦しいと言わんばかりに俺の胸を叩く。
口を放せば、少し息を荒くして、きょとんと俺を見上げる愛しい彼女。
「A、好きだよ」
3年。3年も我慢してきた。
けど、笑ってるAの隣にいれることだけでも幸せだったから。
「…いい?」
今以上の幸せを、欲張ってもいいのかなって。
「だ、め」
しどろもどろに目を泳がせるA。
だけど、その目が俺を拒んでないのは分かる。
「何で?」
「シャワー、浴びてないし…
.
それに、私……はじめてだから、だめ」
弱々しく声を上げたAは、いつもにこにこと微笑む姿からは想像もできないぐらいに顔を紅潮させていた。
はじめて?……いや、本当に?
あの大女優だった翠川が、そういう経験がない?
「何で?初めての相手が俺なんて嬉しいけど」
「海斗くんがめんどくさいって思っちゃうんじゃないのかなって」
「俺はAと、そういうことしたい。
Aは、俺としたくない?」
「う…」
ゆっくりと起き上がり、Aを抱きしめる。
「嫌、じゃない」
「うん」
「けど、準備が出来るまでゆっくりしてほしい。」
「うん」
「あのね海斗くん、私ね…」
_はじめては海斗くんと一緒がいい、
そう言って彼女は俺にくっついた。
「優しくするよう、善処します」
「うん…」
「……A?」
「っ、あ、うん…シャワー、シャワー浴びてくる!」
そう言ってぱたぱたと自分の衣服と入浴セットを持ってシャワー室へと行ってしまった。
「っはぁ、本当可愛い……」
さっきから俺可愛いしか言ってない気がする。
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涼宮美桜 - このお話すっごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2019年3月30日 15時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - viva…。GJ…。お空のぼれそう… (2019年3月19日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 最高です!まさかスピンオフをみれる日が来るなんて…!!本編も愛読してます!私もスイちゃんなりたい…里見くんに愛されたいです… (2019年3月7日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月7日 18時