検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:58,336 hit

3年目の3/8 ページ1

「翠川に会いたい」

「久しぶりに会う元カノへの第一声がそれなの?」


目の前で新作のフラペチーノを持って撮影してる沙良はそう言って俺を一蹴した。

沙良とは別れたとはいえ、お互い愚痴を言い合える腐れ縁だ。
けれどこうやって面と向かって話せるようになったのだって、翠川が花岡達を友達だと言ってくれたからであって…


「あ、駄目だ。余計翠川に会いたくなってきた」

「ねぇそれしか言えないんなら帰っていい?」


自撮りが終わってフラペチーノとチーズケーキを食べる沙良に睨まれ、話を続けることにした。


「ていうかさ、海斗達って相変わらず名字で呼んでるの?」

「ん?あぁ、向こうも里見くんって呼んでる。」

「…何処までいったの?」

「……キスまではした」

「嘘でしょ?海斗にしては珍しく手出してないじゃん」

「出す暇もなくイギリスに行っちゃったからな…」


私イギリスに留学するから、と卒業式の日に言い忘れていたかのように平然と言われ、凄くびっくりしたことを思い出す。


「まさかスイがイギリスに行っちゃうなんてね〜まぁ賢いから当然か。
ていうかマイボイとかSkypeで連絡取ってるんでしょ?」

「まぁな。けどこっちが話してる時向こうはまだ朝の6時だったりでチャットとかになるけどな。」

「そっか、日本とロンドンだと9時間ぐらい違うんだっけ」

「それで今日沙良に会うこと言ったら何て返ってきたと思う?」


沙良は少し考えるような仕草をして、俺に答えを言う。


「『花岡と?いいよ、行ってらっしゃい』…とか?」

「…すげぇな沙良、本文そのままだよ」

「え、あの子本気で言ってんの?バカなの?
私が海斗のこと好きって知ってるはずなのに。」

「まぁ翠川そういうとこあるのは知ってたし…」


アイツが束縛とか嫌いなの知ってるから、そう言ってくるのは俺にも分かるわけで。
だけど嫉妬ぐらいしてほしいとか思ってしまう俺も俺で。


ふと、スマホのブザーが鳴った。端末を見てみると、ついさっき返信したらしい翠川のチャットが送られた。
それを見た途端、スマホ持ってる手が震えた。


「…海斗、顔にやけてるよ」


沙良には引き気味で言われたが、これは仕方ないと思う。
やっぱりあいつも俺のこと好きでいてくれてるんだな…と思うと、にやけてしまうんだ。



翠川明日帰ってきたら、沢山甘やかしてね


あぁ〜…早く会いたい。

3年目の3/7~inイギリス~→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (97 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
398人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 里見海斗   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

涼宮美桜 - このお話すっごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2019年3月30日 15時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - viva…。GJ…。お空のぼれそう… (2019年3月19日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 最高です!まさかスピンオフをみれる日が来るなんて…!!本編も愛読してます!私もスイちゃんなりたい…里見くんに愛されたいです… (2019年3月7日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:無音 | 作成日時:2019年3月7日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。