3年目の3/8 ページ1
「翠川に会いたい」
「久しぶりに会う元カノへの第一声がそれなの?」
目の前で新作のフラペチーノを持って撮影してる沙良はそう言って俺を一蹴した。
沙良とは別れたとはいえ、お互い愚痴を言い合える腐れ縁だ。
けれどこうやって面と向かって話せるようになったのだって、翠川が花岡達を友達だと言ってくれたからであって…
「あ、駄目だ。余計翠川に会いたくなってきた」
「ねぇそれしか言えないんなら帰っていい?」
自撮りが終わってフラペチーノとチーズケーキを食べる沙良に睨まれ、話を続けることにした。
「ていうかさ、海斗達って相変わらず名字で呼んでるの?」
「ん?あぁ、向こうも里見くんって呼んでる。」
「…何処までいったの?」
「……キスまではした」
「嘘でしょ?海斗にしては珍しく手出してないじゃん」
「出す暇もなくイギリスに行っちゃったからな…」
私イギリスに留学するから、と卒業式の日に言い忘れていたかのように平然と言われ、凄くびっくりしたことを思い出す。
「まさかスイがイギリスに行っちゃうなんてね〜まぁ賢いから当然か。
ていうかマイボイとかSkypeで連絡取ってるんでしょ?」
「まぁな。けどこっちが話してる時向こうはまだ朝の6時だったりでチャットとかになるけどな。」
「そっか、日本とロンドンだと9時間ぐらい違うんだっけ」
「それで今日沙良に会うこと言ったら何て返ってきたと思う?」
沙良は少し考えるような仕草をして、俺に答えを言う。
「『花岡と?いいよ、行ってらっしゃい』…とか?」
「…すげぇな沙良、本文そのままだよ」
「え、あの子本気で言ってんの?バカなの?
私が海斗のこと好きって知ってるはずなのに。」
「まぁ翠川そういうとこあるのは知ってたし…」
アイツが束縛とか嫌いなの知ってるから、そう言ってくるのは俺にも分かるわけで。
だけど嫉妬ぐらいしてほしいとか思ってしまう俺も俺で。
ふと、スマホのブザーが鳴った。端末を見てみると、ついさっき返信したらしい翠川のチャットが送られた。
それを見た途端、スマホ持ってる手が震えた。
「…海斗、顔にやけてるよ」
沙良には引き気味で言われたが、これは仕方ないと思う。
やっぱりあいつも俺のこと好きでいてくれてるんだな…と思うと、にやけてしまうんだ。
翠川明日帰ってきたら、沢山甘やかしてね
あぁ〜…早く会いたい。
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涼宮美桜 - このお話すっごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2019年3月30日 15時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - viva…。GJ…。お空のぼれそう… (2019年3月19日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 最高です!まさかスピンオフをみれる日が来るなんて…!!本編も愛読してます!私もスイちゃんなりたい…里見くんに愛されたいです… (2019年3月7日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月7日 18時