検索窓
今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:79,200 hit

** ページ2

学校を出て、胸を触る。相変わらず胸の痛みは治らない。

兵頭くんは何も悪くない。だって本当のことを言っただけであって。悪いのは、賢くんに伝えられなかった私。


『明日からどんな顔すればいいんだろう…』

「A」


名前を呼ばれて、その声に思わず振り向く。
よく流れる失恋曲だとこの時の声は幻聴で後ろには誰もいないのに。

それなのに、彼はいた。ここまで走ってきたのか、肩で息をして額は汗ばんでいた。


『…なんでいるのかなぁ、けんくん』

須永「兵頭から聞いた」


…さっきのフォローは撤回だ。あの坊主、絶対許さん。明日モンゴリアンチョップの刑に処す。


須永「さっき俺と水越が話してるの見て妬いたんだろ」

『…ちがう』

須永「ほら目逸らさない。俺の目見て言って?」


無理やり顔を向かせられて、視界は賢くんの顔がドアップで映る。嘘をついてる罪悪感と公共のど真ん中でやってる恥ずかしさで、思わず目を逸らしてしまう。


須永「やっぱ嘘だろ。ヤキモチやいてるAも可愛い。」

『やきもちって…べつにわたしはけんくんとみなこしがなかよくなったっていいも〜ん』

須永「言っとくけど、俺は水越から相談受けてただけだから。中尾の誕プレどうしようかって」

『……それ先に言ってよ』


本気でモヤモヤ考え込んでいた自分が馬鹿みたいじゃないか、そう思ったら頰が徐々に熱がこもっていくのを感じる。


須永「他の女子と話すだけでそんなに妬いてくれるってことは、期待してもいいわけ?」


さっきのニヤニヤした顔とは裏腹に、真剣な表情で私を見つめ、距離を詰めてくる。

そして、0cmになる。


須永「俺本気でAのこと好きだから。それ忘れんなよ。」

『……分かった』

須永「ん、それならいいよ。」


帰ろうぜ、と差し出された手に思わず触れそうになるのを我慢して、前を歩く。数秒すれば、すぐに彼は追いついてつれないな、だなんて笑う。

もし、もう一度賢くんに好きと言われたら。きっと…



__きっと私は、素直に好きと言ってしまうだろう。


〜Fin〜

水飛沫とストップウォッチ(真壁×翠川)→←友達以上(須永×翠川)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (171 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
496人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 番外編   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぺんちゃん(プロフ) - 好きです。 (2019年3月19日 13時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 里見&須永サンド大好きです! (2019年2月27日 11時) (レス) id: f8c43b87f2 (このIDを非表示/違反報告)
WANT(プロフ) - 須永と両想いの話が見たいです!よろしくおねがいします! (2019年2月16日 16時) (レス) id: ad22af4e4f (このIDを非表示/違反報告)
りぃ 。(プロフ) - はじめまして ! リクエストお願いします 。逢沢くんと真壁くんですいちゃんを取り合って欲しいです ! これからも更新頑張ってください ! (2019年2月12日 22時) (レス) id: e47cfc2c6b (このIDを非表示/違反報告)
TWICE Nayeon Love - 茅野ちゃんと諏訪ちゃんとも絡み入れて欲しいです!! (2019年2月11日 23時) (レス) id: 32b32150a5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:無音 | 作成日時:2019年1月31日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。