【あんスタ】悪役令嬢√だなんて聞いてない！！ (ページ1)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:6,607 hit

Prelude ページ1

「お嬢様、おはようございます」

「お嬢様、今日もお可愛らしい」

「お嬢様、今日は彼が遊びにいらっしゃるそうですよ」

お嬢様…私がそう呼ばれていることは知ってる。知ってるから「ご機嫌よう」だとか「ええ、ありがとう」だとかお行儀よくいい子に振る舞う。

私はこの○○財閥のお嬢様であり、彼は私のいいなずけの天＿院英＿、……

まただ、またこの頭の痛み。私を苦しめる。周りの人達を心配させる。
どういうことなの？この痛みは……

『あー推しの☆5ランボじゃねぇか～！死～～！！』

『オラオラオラァ！KnightsPのお姉様方を引き離すためには緊急がいるんだよォ！金はある！緊急こい緊急緊急緊急！！』

何？何なのこの声？
これは、もしかして…

『勝った！ありがとうハピエレ！！ありがとう、あんさんぶるスターズ！！』

私……？

■

「お嬢様、具合はいかがでしょうか」

目を覚ますと、心配そうに見つめてくるメイド服の女性がいた。

「こ、ここはどこ？私は…」

「A様、落ち着いてください。
大丈夫です。ここはA様のお部屋です。」

メイドの彼女は私の名前と今の年齢が5歳であること、この部屋、そしてさっき私が倒れたことを丁寧に教えてくれた。そして今日はあまり表に出ないように、とも言われたのだった。

「ありがとう。なら、紙とペンを取ってくださるかしら。せっかくだし何かかこうと思うの。」

「かしこまりました」

紙とペンを取ってもらい、メイドは部屋を出た。

…それを見計らって、私は必死に書き殴った。絵だと思ったか？馬鹿野郎、私は図工の成績2やぞ。

「あんさんぶるスターズ。舞台は夢ノ咲学院のアイドル科。乙女ゲーム…だけど各々の闇深すぎてそれどころじゃなかった。主人公のプロデューサー名前は春名あんず(名前変更可能)で…悪役のクッソムカつく令嬢が確か…瑠璃川A……」

待て、待て、

…待って(懇願)

私、私の名前も、瑠璃川Aなんだよ……！？

もしかしなくても私、私……

「瑠璃川Aに転生してしまった～～！？！？」