【20】 ページ24
鷹城さんこと鷹城恭二さん。
叶さんがプロデュースを担当しているユニット、Beitのリーダーで元コンビニ店員。よく隼人たちとゲームやってるから私も少し話をしたことがある。
「もう秋山たちは外に出て……あぁ、叶さんに用か?」
「あぁいえ、私も帰る支度をしていたら叶さんたちが話してるのが見えて。」
「そうか…」
そんな他愛もない話の後、再び向こうで話す2人を見る鷹城さん。
……というよりは、1人を見ているようだが。
「なぁ、花灯」
「はい?」
再び鷹城さんに話しかけられる。
けれど今度は、顔は向けずに。
「叶さんと舞田さんって、そういう関係だと思うか?」
そういう関係。
そういう、かんけい。
いくら高校生でまだ子供と称される私でも、17年は生きている。それぐらい分かる。
分かるけど、分かるけどさぁ…!
「わ、私の見た限りですが、恐らく違うかと…それに…」
「…そうだよな。いくら舞田さんでもあの脳筋を落とせるはずが…」
聞いてねぇ。しかもさらっと叶さんを脳筋と言ったし。
「いや、いやいやいや…類先生には他に好きな人がいるらしいですし、
そもそも、叶さんと類先生は大学の先輩後輩なんですって」
思わず言ってしまったが、詩乃さんの名前は出してないし、まぁセーフだろう…セーフ、なのか?
そんな私の葛藤を知ってか知らずか、鷹城さんは話を続ける。
「悪い、けどどうしても気になるんだ。
叶さんのあんな表情、いつも見てるはずなのに見たことないからさ。
まぁ、あの人から何もかも奪った俺が言えることじゃないけどな」
その言葉が頭をがーんと殴った。
痛くはない。
痛くはないんだ。
それを自嘲するように呟いた鷹城さんの顔が、どうしても苦しかった。
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