~第3章01~男嫌い、克服の道も一歩から!?【15】 ページ19
詩乃side
315プロダクション、と書かれた扉の前で、深呼吸する。
昨日から練習してきた言葉を、もう一度唱えた。
「お、おはようございます！」
鏡や舞田先生達の前で何回も練習した。
にっこり笑顔、大きな声…予習はバッチリだ。
「…よし、言える。大丈夫、大丈」
ガチャリ
目の前から音がした。
＿あれ？私、まだ開けてない……
「何をそこで突っ立って…君は…」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」
……この後、10分程気を失ったことは言うまでもありません……
■; ;)
「もう、らば〜のバカ！しののんが男嫌いなの前から言ってたじゃん！」
「仕方ないだろう…あとそのらば〜はやめろ！」
「本当に本当にすみません桜庭さん〜！」
「何故君が謝る！あといい加減事務室から出たらどうだ!?」
桜庭さんの言う通り、私は事務室のドアに隠れながら会話している。
……先生方でやっとなのに、他の男の人だなんて考えられません……
「けど、詩乃さんの男嫌いって治さないとマズイですよね？」
暦ちゃんが心配そうにそう言った……何ですと？
「そうですね〜…うちは765や346とは違って男性アイドルの事務所ですから。
これからどんどん新人さんがドバドバ〜と来ますね！」
新人…お、男の人が、ドバドバ…!?
うぅ、考えただけで悪寒が止まりません…
「山村ァ！しののんを怖がらせないの！
……よーし！今からしののんの男嫌い克服レッスンを始めよう！」
そう言って私のいる事務室へと近づいてきた。
「か、叶さん…？」
恐る恐る声をかける。
「しののんっ！れっつれっすん！なんちゃって」
レッスンのイントネーション違いますからぁぁぁ…！！
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