【12】 ページ14
「あ、
「二徹だよ！アンタが寝るせいで私がアンタの分やってるんですけど!?
ていうか早く服着ろ服！もうすぐ石川くんが新人の子達連れてきて…」
「あぁ、もう来てるよ〜？」
「あああああごめん石川くん！
そう言って2人の女の人は向こうの部屋へと消えた。
……何か、やけにカロリーの高いやり取りだったな。もうお腹いっぱいだよ。
■■ □□
「先程は、大変お見苦しいものをお見せして
まっこっとっにっ、申し訳ありませんでしたぁぁぁ…！」
出てきて早々、明るい髪色の方の女の人に謝られた。
さっきの黒髪美女ほどではないが、すらりとした体躯の綺麗な人。
「私はプロデューサーの
分からないことがあったら何でも聞いてね！あっでも勉強関連は勘弁してね…」
そう言って困ったように笑うその顔は、同性の私でもキュンとくる。
こんな明るくて可愛い人が、何でこんな小さい事務所にいるんだろ…(失礼)
「ほーら依さん起きて！自己紹介してください！！」
……そしてあの黒髪美女、
病的なまでに白い肌、
高身長には見合わない細身な体、
腰まであるその漆黒の髪に枝毛は見当たらず、
他人を吸い込みそうな菫色の大きな瞳。
神様によって大事に大事に作られた…
あるいは、悪魔に魂を売ったかのように整いすぎている顔立ち。
まさしく『頭のてっぺんからつま先まで美しい』、そんな人だった。
「ああああああああああああああああああ!?」
「えっ！？」
急に後ろから叫び声が聞こえた。え、何、怖いよ…？
「よ、よよよ、よりりんだ…！
あの国民的アイドル、あの歌姫のよりりんだよ!?
どうしよう恭二！ピエール！俺よりりんに会っちゃったよ!?!?」
「みのりさん、頼むから落ち着いてくれ」
「みのり、しんこきゅー、大事！ねっ？」
よりりん…は分からないけど、まさか…
「黒井、美依……？」
あのかつて日本のアイドルの頂点に君臨していた歌姫が、
今この瞬間、すぐ目の前にいるとでも言うのか。
「ん〜…それは源氏名っていうか、昔の名前かなぁ？
まさかの、あの元国民的アイドルがプロデューサー…
この事務所、プロデューサーもワケありだ。もう頭が痛い。
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