【刀剣乱舞】楽屋雀、いざ参らん (ページ17)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:14,124 hit

十四話*此岸という人は、ページ17

「ｯ…ぅん…」

顔色が少しずつ良くなっていく。
苦しそうな表情が穏やかになっていく。

そして、

此岸「…ただいま」

此岸さんは目を覚ました。

それと同時に、雪音ちゃんが此岸さんに突進した。

雪音「てんちょーの馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!
勝手に死ぬなんて、許しませんよ!?」

此岸「雪音煩い…頭に響く…」

月光「自業自得だよ店長?
無理は禁物、医者のお前が一番分かってるだろう?」

此岸「…悪かった。」

此岸さんはバツが悪そうな顔をして、顔を逸らす。

『(あぁ、そうか。この人は…
とても、他人思いの人なんだ。)』

とても、不器用だけど、
とても、とても優しい人。

それが、此岸さんという人…

「此岸殿っ!」

此岸「…一期一振か。どうした?」

「私の弟達を助けて頂き、ありがとうございます…!」

「貴方は、お小夜と江雪兄様の命の恩人です…!」

「岩融たちをたすけてくれて、
ありがとうございます…ありがとう…！」

刀剣男士達は、涙を流しながらお礼を述べていた。

此岸「……別に。俺が好きでやった事だし。」

そう言って顔を逸らす此岸さん。
そう言う割には、とても嬉しそうで。

仇花「店長ってホント素直じゃねぇよな。」

三日月「それは主もだぞ。」

雪音「店長嬉しそう!だから私も嬉しい!」

陸奥守「主が嬉しいからわしも嬉しいぜよ!」

「「まっはっはっは!!」」

前田「主君?自分を抱きしめても、
何もありませんよ…?//」

花苗「いいえ、貴方の存在自体が私の宝物よ。」

《楽屋雀》の店員達も、
その光景を微笑ましく見守っていた。

しかしその時、

ｸﾞｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩ…

唸るような音が、本丸中に響いた。

根源は…

『此岸さん…w』

此岸「……ぐぬ///」

一瞬で、耳まで真っ赤にさせた店長さんだった。

美紀「あらあらぁ?
十十の此岸でもお腹は空きますのねぇ?」ﾆﾔﾆﾔ

加州「此岸子供っぽ～い」ﾆﾔﾆﾔ

此岸「お前ら首落ちて死ね…//」

月光「明石、店長に何か作ったげて」

明石「ええんですか?自分、凝り性やで?」

月光「うんいいよ、俺の正妻」

明石「はいはい、自分は主はんの正妻です。」

そう言って明石さんは、
持参していたらしきエプロンを身につけた。

「国行が料理…!?」

「あの国行、幻覚なんじゃね…!?」

当然、来派の子達が驚いていた。