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翔太との出会いは、友達に誘われて行った飲み会だった。
その子以外に知り合いもいないし、ちょっと躊躇したのだけれど、結局押し切られて参加した会だった。

翔太はそこに少し遅れて現れた。
その途端、皆がパッと盛り上がったから、ああ、彼は人気者なんだなってわかった。


茶髪にピアスにサングラス。
見た目は何ともチャラチャラしていて、声も大きくて、第一印象はちょっと怖い感じの人だった。
地味キャラだった私は、翔太を一目見ただけで「あ、私この人苦手」なんて思ったような気がする。
今思えば失礼なことこの上ない。

しかし、話してみると、その嫌な印象は180度転換することになった。
抜群に面白いし、あの変な笑い方でめちゃくちゃ笑うし、時々可愛いところもあるし。

私自身も、それまで人見知りしてなんとなく場から浮いていたのが嘘のように、翔太の作る空気にスルッと入っていた。
まるで魔法みたいだった。


あの時が初めてだったんじゃないかな、初対面の男の人に自分から連絡先を聞いたのは。
友達には後で散々いじられたけど、なんだかんだ仲を取り持ってくれた。
そのおかげで、翔太とはちょくちょく会って遊ぶ仲になった。

告白したのも私から。
思い返してみても、自分がそんな事をするなんて本当に信じられない。
吃りまくったカッコ悪い告白だったけれど、翔太は笑って「俺もAちゃんのこと好き」って言ってくれたっけ。


付き合ってからは色んなところに連れて行ってもらった。
水族館のショーで子供みたいにはしゃいだり、お洒落な翔太に服を選んでもらったり。
疲れるとカフェに入って、何時間でもしょうもない話をした。

nb「Aいっつもそれだよね」
「好きなんだよね、ミルクティー」
nb「うん、何か、すごいAっぽい感じする」

でも、それも既に遠い記憶。
もしかしたらもう、翔太は私のことなんて好きじゃないのかもしれないな…

.→←はじめての一杯 nb



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作者名:わかめ | 作成日時:2021年3月11日 20時

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