Wolf Ⅱ (ページ6)

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「生きてるっ...？」

彼は死んだ。死んだけど...

少しずつ頭が理解をしていく...

死んだ。でも、
彼にもう一度逢いたい...。

その瞬間、私は無言で首を縦に振った。

結局頭の理解は、思考判断は、全然追いついていなかったけど、
無意識に頷いていた。
無意識に彼を想ってた。
無意識に口を動かしていた...。

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「＿＿＿＿＿＿＿信じる...。あの人、生きてるって...」

喉が震えた瞬間に流れた私の涙を北人さんは優しく拭った。

正直私のことを否定するし拒む北人さんは苦手だが、
その時私に笑みを向けてくれた北人さんは優しく見えた。

・

『だよね...。俺も信じてる』

きっと北人さんは私と同じように、私以上に彼を想っているのかもしれない。
私を否定する理由はいつも彼だった。

・

『俺は今からほぼここを立たないと思う...。人の生存を確かめるには、何よりも早さが必要だしね...。』

「私も何かっ...『大丈夫。』

“手伝いたい”、そう続けようとした言葉を遮る北人さんはなぜが柔らかかった。

『俺がやる...。Aちゃんの幸せが壱馬なら、俺はそれを叶えるまでだから。
それが壱馬との約束だもん。』

でも、瞳は私なんかよりもずっと強かった。

あんたからAちゃんに変わった呼び名は、私の耳に心地よく響く。
口には出ていないが、“心配しないで”って伝わってきた。

『俺がAちゃんのこと見れない間、あいつが色々やってくれるから。』

「あいつ...？」

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