Wolf Ⅱ (ページ13)

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「いや、いいよ！？」

『裸足なんかで歩かせられないよ。ほら早く』

全力で身を引きながら拒む私の両手首を、背中を向けた慎が掴む。

そして私の両腕を首に回させ、
私が抵抗する暇も与えずに両膝裏に手を入れて私を持ち上げた。

「ちょっ！降ろして！」

『いや、大人しくして？落とすよ？』

彼の背中に乗りながら、肩を叩いて拒むが
ふと発されたガチトーンの声に身がすくむ。

『こんな時ぐらい、頼って？』

少しずつ柔らかくなった慎の声に抵抗したいという欲の気持ちが一気になくなる。

そしてあろう事か、無意識に彼の首の前で交差する腕を少し強めた。

大人しくなった私を確認した慎は、そのまま立ち上がった。

彼がドアを開けた瞬間、キィっという音とともに久しぶりに触れた外気が私たちを包んだ。

北人さんの家に来てから1度も外に出てないから、外の様子全てに心が震える。
もう少しでお昼を迎える太陽が、上から照りつけていた。

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