Wolf Ⅱ (ページ12)

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『起きた...？』

「＿＿＿＿＿＿＿慎...」

『昨日うなされてたけど、大丈夫？顔色とかあんま良くないけど...』

「大丈夫。心配しないで」

ベッド脇の下の辺りで布団を床に敷いて寝ている慎

本来なら彼の部屋はあるのだが、夜中のうなされが酷い私を心配だと言い、近くで寝るようになった。

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『じゃあ、朝ごはん食べて準備しますか』

「準備？」

『あっ、言ってなかったっけ？』

「いや、聞いてない」

『今日は買い物に行く。表社会に』

「買い物？」

『食材も無くなってきたし、何より新作出たんだよね。お気に入りのブランドから』

「へ～」

『気晴らしに行くでしょ？Aも』

「あ。うん。」

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『よし、準備しよ～』

「その前に朝ごはん...」

『珍しく食い意地張ってる？沢山食べると太るよ～？』

「食い意地！？そんなんじゃないから！.....調子いいこと言ってると怒るよ！？」

『いいよ？怒ってみて』

「こっ、こら...」
『あはは。なにそれ(笑)』

慎くんは笑いながら私の頭をくしゃっと撫でると、そのまま立ち上がり部屋を出ていく。
私もベッドの布団を整え、部屋を後にした。

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「ねぇ、慎」

『何？』

「買い物行くのはいいんだけどさ、私靴持ってないんだよね」

『まじか...』

“彼”を探しに行く時は北人さんが自分のを履かせてくれた。
服とかは北人さんや慎のを着ているが、さすがに外に出る機会なんてなかったから、靴は持ってなかった。

『じゃあ、今日Aの靴も買っちゃうか』

「私お金持ってないよ？」

『払わせると思ってる？』

「うん...」

『なわけないじゃん。殺し屋って意外と給料いいから、そのぐらいは持ってます～』

少し軽めにそう口に出した慎は、玄関で立ち往生する私の目の前にしゃがみ込んだ。

「え、なに？」

『靴ないんでしょ？』

「そうだけど...」

『ほら乗って。靴屋さんで靴買うまで乗せていくから』

私の目に広い背中が映った。
彼のとは違う...、広い背中が

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