Wolf Ⅱ (ページ45)

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そうその瞬間は......... ページ45

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目にかかっている赤茶色の髪が揺れている
そしてその隙間から淡い色をしたその瞳が覗いた

その瞳が私を捉えた瞬間、私の背中に電流が走ったかのように刺激が鳴った

私は北人さんを見続けることが出来ず、そのまま少し視線を外した。
そんな時目に入ったのはパソコンの画面

“continue”とかすかに読める文字が表示されている
恐らくEnterキーを押せば何かが始まるのだろう...

嫌な予感が大きくハッキリと頭をよぎるが、信じるのが怖くて頭が勝手に思考をそらした

『ねぇ...』

自分の本当の気持ちにさえも霧をかける私の中に、
ついさっきの声とは少し違う北人さんの声が入ってきた

冷たくない声に無意識と顔が再び北人さんの方へ向く...

私の視界が捉えた北人さんは気づかないうちにこちらへと足を進めていた

そしてあっと言う間に、私の目の前へ
私よりも背の高い北人さん
自然に私の顔は見上げる形に...

『慎は...大丈夫だよ』

「へっ...？」

と、ふとした瞬間に北人さんの声が再び耳に入った。
そして更に柔らかくなった声とともに、北人さんはふわっと笑った

『俺のこととAちゃんのこと、心配しすぎて寝てないだけだから...笑』

「心配...」

『そっ...、だから安心して...？』

心配...
考えすぎてしまう頭が要らずの疑問を生した
どうして北人さんを心配したの...？と
疑問がぱっと頭を支配した時、鼓膜が揺れる...

『＿＿＿＿＿＿＿慎と一緒なら大丈夫だから』

「はっ...？」

予想だにしていない意味不明な北人さんの言葉
その語尾だけは暗く変化していたことを私の耳は聞き逃していない

不自然だった...。
不気味だった...

でもその疑問をとく前に、北人さんは私の前から離れ
再度パソコンの方へと身を向かわせた

その時、

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀっという音とともに、

『北人さん！！！』

そんな声が私の背後から聞こえた...

慎だった。
振り向いた視線の先に顔色はさっきのままだが、雰囲気を焦りに変えている彼の姿
こんな短い距離なのに少し息切れしているのは、それほど急いだ証拠なのだろう

北人さんも慎も変だった。
私には何一つ事の流れが理解できない
ただ頭に見たくもない嫌な予感が漂うだけで...

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