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事の始まり ページ9
＊
「...」
目が覚めた時、そこに男はいなかった。
人気もなく、部屋も少し薄暗くて、おそらく私しかいない
ソファーに寝かされていた私の上には毛布がかけられ、
髪の毛の下には丁寧にタオルも置かれていた。
体を起き上がらせると、ソファーの前にあるテーブルに目がいく。
テーブルの上にある食器の上にはおにぎりとペットボトルの水、その横には紙切れが1枚。
“外には出るな”
ただそう殴り書きで書かれていた。
私はその紙を手に握ると、再びソファーに体をあずける。
紙から温もりが伝わってくるようで、その感覚に涙が零れた。
・
・
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ＿＿＿＿＿＿＿
“A...！”
「えっ...」
＊
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作者名：M谷
| 作成日時：2019年12月30日 18時
