Wolf (ページ7)

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不器用なタオルページ7

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ソファーに体が沈むと身を縮こませた。
頭にこだまする記憶に耐えられず耳を塞ぐ。
体は震えを増した。
そしてまだ濡れている髪の毛が頬にくっつき、ソファーを濡らしてることが感覚を通してわかった。

そして、私のうっすらと開ける目の先には何も言葉を発しない男
その姿が逆に恐怖心を生ませて、私は顔をあげられず俯いてしまった。

・

・

『どこまで俺を怒らせたいん？A』

少しイライラして口調がきつくなった声が耳を貫いた。
上裸のまま脇にたっていた男はしゃがむことも無く、立ったまま上からの視線を保つ。

なんで、私の名前...。
私の頭に疑問が駆け抜け、下に向けていた顔を男の顔の方へ向けた。

確かに男はAといった。

「なんっで、わた、し、の名前...」

体よりも震えている唇は上手く動かない。
切れ切れの言葉が男に向かって放たれた。

『＿＿＿＿＿＿＿＿いずれ分かる』

私の質問に対して、ただそれだけ言うと男はソファーの元を離れた。
それを機に私はさらに体を縮せる。
濡れた髪の毛の気持ち悪さなんて気にもならなかった。

＊