Wolf (ページ20)

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私は彼の腕の中でそのまま泣き疲れて眠ってしまったらしい。
起きた時には彼はこの前と同様そばにはおらず、
一番最初に起きた時と同じベットで寝かされていた。

目を開くと写る見覚えのある天井。

部屋にある窓からは朝日だろうか、光が差しており、
そしてうっすらとではあるが小鳥の声も聞こえている。

私は上半身を起こすと、足を布団から出して床についた。
床の冷たさが足の裏から全体に回る。
そのまま立ち上がるとリビングへと続く廊下を記憶を頼りに歩いた。

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ガチャ____________________

冷えているリビングのドアノブを回してドアを開けると、少しこもった空気が体の周りを通り抜ける
リビングは薄暗く、明かりは付いていない。

部屋の中の方へ進み彼の姿を探すが、人気など感じなかった。

私はいつものソファーを見つけると、電気もつけずそこに体を預ける。
少しずつ頭の中に溢れてくる昨日の記憶。

「壱馬…」

そうつぶやいたのは無意識だった…。

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