Wolf (ページ14)

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想いの唇ページ14

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吐き気も治った私を男はこの前とおんなじソファーへと連れて行く。
ゆっくりと下ろして優しく座らせ、そのまま私に手をつけていなかったおにぎりを差し出した。

『ちっ…』

でも吐いた後、そして数日食べてないせいで逆に食欲がなく、どうしてもおにぎりに手をさし伸ばせなかった

『なぁ、食べてくれん？』

その問いかけに私は首を横に振る

そして諦めたかのようにおにぎりを置き、ペットボトルの水を差し出すが、それに対しても首を横に振った

声なんて、まず口を動かす気力さえほとんどなかった。

『はぁ…、手がかかる…』

私は首までも上に動かすことができず、俯いたままだった。

『死なれたら困んだよ…』

男はそれだけ私に吐き捨てた。
そして力の入らない私の顔を顎に手をかけ、上に持ち上げる。

男の顔と私の顔が近くなっても、感覚が鈍くなっている私は何も反応することができなかった。

「んっ…」

触れる唇から男の舌が伸び、私の口を割る。
男の口の隙間から私の口の中へなにかが入り、喉を流れた。

それは冷たい液体、水だった…

私の顔と体を支えながら、全てを私の口へ移す。

唇が離れると、香水に混ざった血の匂いが鼻を貫いた。

男は再びそれを口に含むと顔を近づける。

ふとした行為でいつも脳裏に浮かんだはずのあいつ。
でもいつものことなぜか起こらない。

だから、私は昔嫌だったそれを抵抗しなかった。

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_________________________ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

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