Wolf (ページ22)

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それは悪い予感ページ22

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「どうすればっ...」

切れた電話を持つ手が力なくさがる。
北人さんは来てくれるのか、それすらも分からず心は焦りと不安でいっぱいになった。

「おねがっ、目を...」

“開けて” そんな言葉の願いは涙となり彼の顔に落ちる。
意識のない彼を抱きしめながら、無力な私を全身で感じた。
左腕を押さえる彼の右手。
手を重ねると、やはり滲み出てくる赤い液体。
震える手はそこを離さなかった。

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ガチャッ＿＿＿＿＿＿＿

彼に何をすることも出来ず、俯きただ泣いていた。
すると耳に入ってきた、勢いの良いドアの音。
その音が聞こえた瞬間、太陽の光と外の空気が私を包む。
そして耳に入る足音と声...。

『かっ壱馬...！？』

「北人っ...さん...？」

顔を上げると目の前にいた北人さん。
額には汗が滲み、息も切れている。
その姿に安堵の涙が私の目尻から零れた。

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