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『ラストか…』
そう彼が呟いたのは、その攻防が始まってから少したったあと
減らない相手に、替えが尽きてしまったらしい
はぁ、とため息をついて、彼は弾倉を替え、身を乗り出そうとしたその瞬間、
先ほどまで雨のようが降るかのように鳴り響いていた銃声が
止まった…
・
・
『めんどくさい輩だねぇ』
そして銃声よりもタチが悪く、そして聞き覚えがしっかりとあるものが響き渡った
それは場を凍らせ、私の体を強ばらせた
「っ…」
思わず息を飲む
それは彼も一緒みたいで、銃を掴む力が強くなっていた
・
『ウルフくん。俺、言ったよね?自分の力を過信するなって。本気で守れるって思ってんの?』
響き渡る声に、ギチギチっと銃が、彼が強く握り続けるせいで音を立てた
そのトーンは、ニヤニヤしながら、余裕な表情をしているのが容易に想像できるほど軽快で、嫌なほど鼻についた
『俺のところに来れば、彼女も今から手当してやるし。何しろ、全てにおいて悪いことなんてないでしょ』
溢れ出る自信が隠せていないセリフ
まるで彼は自分の手のひらの上にある言いぶりだった
『早く決めないと、俺我慢出来なくなるから』
やつの声音が変わったと同時に、隣の彼の表情が変わった
その瞬間、私は全てを悟る
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作者名:M谷 | 作成日時:2022年5月14日 23時