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私たちが乗り込むと直ぐに北人さんは運転席へ入り込み、息もつかぬ間に車を発進させた


壱馬は私をゆっくりと席へ下ろした
















樹さん…。
車の中に目を向けると、横たわった樹さんの姿が映った。
意識はなく、傷も深そうで思わずすぐに目を背けてしまった


きっと何か樹さんにあったのだろう。











私は樹さんに向ける視線を避けながら、ゆっくりと車の中全体を見た


何回も見た











そして、その瞬間気づいてしまった。





あれ……?












“何が何だか分からないくらい悲しかった“

“分からない分からないけど悲しかった“

“恋しかった“





“再びふっと笑ったその笑顔が脳裏に焼き付く“

“背を向けた慎は、そのまま走る“







“____________な予感がした…“




























そう、嫌な予感がした_________。



なんで……?


































「まこ……と、は……?」





































「ねぇっ……ほくと……さん……」



もう私の体はとっくに限界だった
声がもう声にならない、でも




「っまことは……」




北人さんの作る沈黙が辛かった









「ねぇっ……戻らなきゃ……。おねがっ……」






置いていってしまった慎を。
危険なあんな場所に。

早く戻って、車に一緒に乗って、逃げるの

一緒に……。
































































『_______ごめん。Aちゃん』


涙は枯れてしまったはずなのに…









『まこっちゃんは戻らない』


体の中の水分を全部振り絞るかのように、涙が流れ落ちた。









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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬 , 吉野北人   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:M谷 | 作成日時:2022年5月14日 23時

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